09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな23 

やんぬるかな〈23〉     工藤泰子
前回は滑稽俳句(八木健会長)から“俳句が上達する「虎の巻(山羊の巻?)」”を紹介した。
七五三五七五で四九八九    森要
森さんは八十歳の会員の方だが、句作りのコツは『脳とノート、ひらめき、ヒント、それにあらねば試行錯誤(思考索語)』だそうだ。頭でっかち!石頭!頭を捻るなら重くて固いよりは、やわらかい方が良いが、「脳」の軟らか?脳軟化症は「ノー」!脳梗塞も困る。思考回路も血液も“さらさら”スムーズに流れて欲しいところだ!

先日、ご・ろんご・ろんご!猫と日向ぼっこしながらゴロ・ニャンしていたら、紅葉狩りのお誘いを受けた。出かけたのは、播州と備前の国境に近い谷の奥、備前藩主・池田光政の建てた閑谷学校である。
光政公は【孔子の教えの儒学】に学ぶため、まずは武士の師弟を対象に岡山城下に藩校を造った。そして翌年、藩直営の学校を閑谷に創建したのだ。なんとこれが、地域のリーダーを育てる為のもので、世界最古の“庶民の為の学校”なのだ。
 その閑谷学校には有名な赤と黄の二本の楷(かい)の木がある。中国の孔子林より苗を持ち帰り育てた巨木だが、この夏の猛暑の影響であらかた葉を落としていた。
 現在の建物は次の藩主・池田綱政と、家臣の津田永忠によって一七〇一年(元禄一四)に完成したもの。校門、閑谷神社、聖堂(孔子を祀る)、講堂などの屋根は備前焼瓦で葺かれ、紅葉に映える山々と赤い屋根がすこぶるマッチしている。今も学校では「講堂学習」があるそうで、講堂の廊下は磨き上げられ、黒光りしている。まるで龍が取り囲んでいるように見える石塀は“切り込みはぎ”と呼ばれ雑草をよせつけない精巧なものだ。火事を防ぐために人工的に造られた火除山(ひよけやま)で国宝、重要文化財は守られている。
ボランテイアガイドさんの薦めで、
「あいうえお論語」公益財団邦人特別史跡
旧閑谷学校顕彰保存会編 二百円を買い求めた。
「あ」過ちて改めざる、是を過ちと謂う。
「い」古の学者は己の為にし、
今の学者は人の為にす。
最近の学ぶ人たちをみると周囲から自分が高く
評価されることばかり気にしている
「お」己に克ちて礼に復(かえ)るを仁となす。
あれが欲しいとか、こうして欲しいとかのわがままな心に打ち買って、まわりの人々を敬い大切にし、謙譲の気持ちを持って立ち居振る舞いに心をくだく。そういう地味な実践が「仁」へとつながっていくんだよ。
「ま」学びて時に・・・・・・亦楽しからずや。
「ゆ」勇にして礼無き者を憎む。
「れ」礼の用は和を貴しと為す。
「わ」吾一有五にして学に志し   中略
五十にして天命を知る。

園内の写真とやさしい解説文!一読をお勧めする。

さて、日々進化している「俳句」の「今」を実感する賞の一つに角川俳句大賞がある。今回で第五十九回だが、俳壇の芥川賞、最も権威ある新人賞、登竜門として名高い。今回の受賞作は清水良郎さんの「風のにほひ」50句となった。十一月号の特集では、選考座談会が四十ページ以上も割かれていた。四人の選者(池田澄子・高野ムツオ・正木ゆう子・小澤實さん)の駆け引きは実に面白かった。
758編から予選通過したのが36編。そこから四人が「四篇に○」と「一篇に◎」を付けて選考、最終まで、喧々諤々の討議がなされる。二点以上の作品五篇あたりでは、読んでいて、オーバーヒートしそうになった。最期まで残ったのが、受賞作と「薬喰」谷口智行(運河・里)、「航海」遠藤由樹子(未来図)、「いくつも」上田信治(里)、「喚声」岡田由季(炎環・豆の木)で、いよいよ最期は「薬喰」「風のにほひ」の二つに絞られた。
 突然だが、「やんぬるかな18」に谷口さんが登場したのをご記憶だろうか?オノマトペの“例”で取り上げたのだ。(ブログ「木偶の会」の句より)
ミルクどばどば苺溺れて潰されて  谷口智行
「やんぬるかな19」では評論、句集、エッセイ集などを取り上げその鬼才ぶり?の一部に触れた。
さて選考に戻ろう。多彩な個性か自然詠か?受賞は最期まで判らなかった。
二人の俳句を50句より7句抜き出してみる。
風のにほひ」清水良郎  4点◎池田◎正木
熱帯魚のひげを見てゐる応接間
イグアナの背にイグアナ南吹く
亀の甲洗うて夏日過ごしけり
鶏の腹に縫ひこむセロリかな
元日や鉄のパイプの国旗立
電熱の行火の強のにほひかな
そのへんの桜ながめてゐたりけり

「薬喰」谷口智行   3点○池田○高野○小澤
踊るなり風にそよげる稲のごと
栗茹でし鍋湯を風呂に足しくるる
目蔭して鷹の行方を追へるなり
影が地に滲むとみれば凧降り来
どの路地も溝板小路注連貰
蝌蚪育て上げたる水の淀みかな
端居より何か探しにゆきにけり

 選者のコメントの一部を
《高野ムツオ》・・作者なりの姿勢から言葉を練って一つのものが滲み出るように造型しているかというと「薬喰」の方にある。
《小澤實》「薬喰」の自然詠の質は高い。
《池田澄子》「薬喰」を落とすのは勿体ない。「風のにほひ」は図太さがいい。
《正木ゆう子》「風・・」この人はいい俳句を作ろうと思っていなくて、俳句で書くという感じ・・」

最終的には「風・・」!応援団としては至極残念だ。
そこで選者の先生方の俳句を詠み今後に期する。  
林檎投ぐ男の中の少年に     正木ゆう子
着膨れてなんだかめんどりの気分   〃

セーターにもぐり出られぬかもしれぬ池田澄子
行く秋の吐く息くちびるよりぬくし   〃

大寺のいくつほろびし日向ぼこ    小澤實
ゆたんぽのぶりきのなみのあはれかな  〃

坂口安吾とは霜月の蝶番     高野ムツオ
蓮根に空飛ぶ話もちかける       〃

朝聞道、夕死可矣   朝に道を聞きては、夕べに死すとも可なり
     やんぬるかな!
スポンサーサイト

Posted on 2013/11/26 Tue. 17:33 [edit]

category: やんぬるかな

TB: 0    CM: 0

26

コメント

Comment
list

コメントの投稿

Secret

Comment
form

トラックバック

トラックバックURL
→http://yasukoenjoy.blog.fc2.com/tb.php/95-c014bea7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Trackback
list