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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな18 

やんぬるかな〈18〉  工藤泰子

蒔くべきを蒔きて八十八夜かな  片山由美子 
夏も近づく八十八夜は、二十四節気の「立春」から数えて八十八日目で、そのころ摘まれたお茶は「一番茶」と呼ばれ持て囃される。
“仕分け”ではないが「二番では駄目なんですか?」「二番茶では駄目なんです・・!」
なぜなら一番茶には前の年から茶樹に蓄えられた栄養分がたっぷり含まれているので、旨味成分のテアニンやカテキンが違うんです!しかも新芽の二枚だけを手で摘むので手間がかかり希少価値があり価格は跳ね上がるんです!二番茶には渋みが出てくるし、二番・三番茶は機械で大量に収穫できるので、値も下がるんです!
これって競争原理?
この時期に霜が降りると、茶畑は一夜にして全滅してしまう。防霜ファンという背の高い扇風機が林立しているのはそのためだ。
反古ひとつ燃やし八十八夜かな  鷹羽狩行
茶畑の霜対策に燻煙法がある。反古を燃やしてどうなるものでもないが・・上手い取り合わせだ。
日の本に八十八夜てふ騒ぎ    稲畑廣太郎
八十八という数字のマジックもあるのだろうか、茶摘歌でも「♪摘まにゃ日本の茶にならぬ・・」とまで騒ぎたてている。
逢ひにゆく八十八夜の雨の坂   藤田湘子
八十八夜のこの日を無事過ぎると別れ霜などの心配がなくなると言う日だと理解すれば、恋人に逢いに行くスリリングな気持ちが季語と連動する。
 撒種のころは「穀雨」で、田植が始まる。
太陽をどろどろにして田植衆   鷹羽狩行
最近の機械化では、俳句は作り難い。
昼蛙どの畦のどこ曲がらうか   石川桂郎
さて茶の紀元は4千年前の中国で、もともとは薬草で解毒剤だったらしい。茶は世界では「茶」の呼称は広東語系の「cha(チャ)」と福建語系の「te(テ)」に大別される。茶はティロード(シルクロードのように)で伝播し、陸路では「チャ」と呼ばれ、「テ」は海路で運ばれた。
ヨーロッパで茶は「東洋の神秘的飲料」「効能豊かで貴重な飲み物」として爆発的な人気となり、貿易トラブルから戦争にまで発展したケースもある。
ボストン・ティパーティ事件=アメリカ独立戦争
中国(清朝)アヘン戦争 
   
お茶を飲むのを「一服する」と言う。この動詞は薬や毒にも用いられるが、イギリスも中国も茶化してはいけないが、高い一服についてしまった。
茶が日本に伝わったのは12世紀末と言われる。宋より帰国した栄西禅師が栽培と製茶法をもたらした。「茶は養生の仙薬なり、延命の妙術なり・・」と「喫茶養生記」にある。栄西は備中の人で吉備津神社の近くに“茶祖・栄西禅師誕生之聖地”の茶碗型の石碑がある。日本では「茶道」にまで高められた“茶”だが、政治にも関与し「茶を濁した?」
実は世界植物学会で茶の木はツバキ属と決定した。葉の大きい「アッサム種」は紅茶に、小さい「中国種」は緑茶に向いている。だから緑茶(不醗酵茶)、ウーロン茶(半醗酵茶)紅茶(醗酵茶)は製造方法が違うだけなのだ。単なる嗜好品なのに、質やブランドで、値段はピンキリである。茶道で珍重される「玉露」の栽培は、覆下栽培(日光を遮る)箱入りで過保護?石臼で挽くと「抹茶」になる。
脳の半分壊るるよりの遠かなかな 七田谷まりうす
この緑茶のパワーは「美容に健康に!」と効能があるのは知られているが、痴呆症にもテアニンやカテキンが有効なのだとか・・“・・遠かなかな(蜩・ひぐらし・秋の季語)では寂しいので禅語の「喫茶去」と参ろう。「お茶でも飲んで・・・行きなさい」
ところで、茶柱が立つと縁起が良いといわれるが、
ペットボトルやテーバックの時代に茶柱は無縁となった。そこで、ちゃっかり「茶柱縁起茶」なるものがあるらしい。それは本物の茶柱ではなく、お茶の粉を固めて浮くように設計したものだそうだ。そんなの“お茶の子さいさい”“茶々を入れる”では滅茶苦茶ではないか。「日常茶飯事」は、コンビニの時代!
「茶」は淹れ方で、旨くも渋くもなるものだが・・。
田蛙のキリリコロロと父老いぬ  長嶺千晶
はつなつや声をはだけて少女らは 行方克己
調弦のごとく新樹に触れゆきぬ  今井聖
揚雲雀空に音符を撒き散らす   石井いさお
考へるための草取り続けをり   能村研三
 
話は変るが、今脳科学が注目されている。NHKの俳句番組のゲストとして、感性アナリストの黒川伊保子さんが登場した。言語自体が持つ音やイメージ、脳への影響を踏まえて俳句を読み解く?人間のあいまいに思える思考や行動を脳科学の見地からひも解く?「感性アナリスト」なる肩書きがそもそも新ジャンルだと驚いた。
俳諧はほとんど言葉少し虚子    筑紫磐井
今オノマトペが爆発的に人気だそうだ。オノマトペとは擬音のことで「音の爆弾」と言われている。じわじわ増殖して、今では5000語を越えている。ぐんぐん・ぐいぐい・ぐりぐり・ぐらぐら・ぐさぐさ・ぐしゃぐしゃ・・・等々イメージを共有できるのは不思議だ。漫画のセリフのようだが、短くても劇的効果を上げている。言葉は幼稚になったのか、感覚的になったのか?記号化したのか?
未来にロボットと友人になる日も近い。そこでの伝達(会話)にオノマトペが有効になるらしい。実験でトボトボと声かけすると、ロボットの動作が、それらしくなったので、はらはらした。
厚餡割ればシクと音して雲の峰  中村草田男
蝸牛べろべろ味見するごとく    工藤泰子
ミルクどばどば苺溺れて潰されて  谷口智行

どばどば溺れるのは苺だけだろうか?
              やんぬるかな!
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Posted on 2013/06/23 Sun. 10:57 [edit]

category: やんぬるかな

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