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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな9 

  やんぬるかな〈9〉  工藤泰子

彼一語我一語秋深みかも      虚子
闇の深さ、懐の深さ・・一語一語が意味深長である。
さて秋は深まった。今回は「風」―風評!風説!などではなく、俳句を取巻く風や季語となる風について
調べてみた。
芭蕉とその門流の俳風を蕉風と呼び、根本精神は「さび」でその境地をさらに高められ、
対象をさらりと表現しようとする詩情を「軽み」と呼ぶ。
しかし重い!軽い!と軽率には言えないのが、俳句なのだ。
俳句は省略とは言え、一足飛びに省略しすぎた。とりあえず
国語便覧の重要古典文学理念のコトバを列挙する。
〈まこと〉〈ますらをぶり〉〈あはれ〉〈をかし〉〈幽玄〉〈艶〉〈有心〉〈長(たけ)高し〉〈さび〉
〈しをり〉〈細み〉〈軽み〉〈不易流行の説〉〈虚実皮膜の論〉〈粋〉〈通〉〈穿ち(うがち)〈いき〉
〈不易流行の説〉は蕉風俳諧の理念の一つで、新奇さがなく時代を超えた落ち着きをもつものを不易!
その時代の好みに従った斬新さを流行とする説もあるが、常に新しさを求めて変化してゆく流行性に俳諧の
不易の本質があると考える。矛盾するようなこの二つは「風雅の誠」によって統一されている.
誠は難しいが、「風・雅」にも「風」は不可欠・・。
 天の気、地の霊、人の声を運ぶ「風」だが、秋風はなぜか寂しい。木々を揺らし、葉を落とし、
実を落すこともある。
京都の嵯峨に芭蕉の門人・向井去来の別荘であった「落柿舎」がある。その名のいわれは、
「通りがかりの商人が、木ごと柿を買い、代金も置いていったが、夜中の大風で柿が落ち
、翌朝来た商人は、青ざめた?」ことから来ている。代金は返したという話だが、四十本もの
柿の木だったそうだ。
  柿主やこずえはちかきあらし山   去来
この辺りは「源氏物語」の野宮神社、「平家物語」の祇王寺、「徒然草」の化野念仏寺など歴史、
文学の舞台である。
立春から数えて二百十日は台風襲来の時期となる。各地で“とうせんぼう”などの豊作を祈り風を鎮める
風祭がある。最近の台風は野分というより、根こそぎという感じだ。
 さて風景、風采、風情、風貌、風光、風教、風靡、風評、風聞、風習、風俗、風刺、諷喩、風流、風狂・・
家風、国風、威風、今風など「ふうーっ?」と風がものを動かすと人を感化する。
“風邪をひく”・やはり風の影響?
さて風狂の人山頭火は以前紹介したが、同じような境涯の
「信濃国乞食首領一茶」の句を並べてみよう。
  けふもいちにち風をあるいてきた 種田山頭火
秋の風乞食ハ我を見くらぶる  小林一茶

次に風と鳥の関係を見よう。風見鶏は風向きに合わせるが、「にはとり、鶴、みそさざい」は
どの様に対処したか?作者にオーバーラップして詠むと味わい深い!

にはとりのたたら踏みけり初嵐 飴山実
吹きおこる秋風鶴をあゆましむ 石田波郷
山風を踏みこたへたりみそさざい 一茶

「秋風」は、金風、素風、色なき風、鳩吹く風、鯉魚風、商風、荻葉風、蓼風、悲風、鷹風などと呼ばれる。
中でも金風、色なき風などは中国の五行思想から来ており複雑だ。
万物は木、火、土、金、水の五種類の元素からなり、そこから四季に対応する五行の色と四季をあわせた。
それが青春、朱夏、白秋、玄武である。
以前奈良県明日香村のキトラ古墳の壁画(玄武=黒い亀)が公開されたとき、長蛇の列に従って見たことがある。
そのとき、売店に売っていた「四神獣」のシールを求め、書斎の壁に貼っている。北に「玄武」、東に「青龍」南に「朱雀」、西に「白虎」のパワーを頂いている。
大相撲の吊屋根に四つの房(しぶさ)が下がっているが、四神獣が土俵(五行の土)を守っていることも
風水の思想だ。
こんな秋の夜長には、日本一の天文台のあるこの地で、星の運行を見て「風雅の誠」に思いを巡らすのはいかが?

石山の石より白し秋の風  芭蕉
色なき風聚め千年待つとせむ  中原道夫
秋風や眼中のもの皆俳句  高浜虚子
  そう!風が吹けば、俳句ができる?  やんぬるかな!
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Posted on 2012/09/24 Mon. 18:11 [edit]

category: やんぬるかな

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