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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな8 

  やんぬるかな〈8〉  工藤泰子

山頭火の放浪した九州山地が豪雨に見舞われた。自然がだんだん脆くなっているような気がする。「青い山」は大丈夫だっただろうか?人は歩き、道ができる。山頭火の足跡を辿るには、まず足腰を鍛えねばと思う。
前回は虚子の句を投げかけた。
「こがね虫なげうつ闇の深さかな」
黄金が暗闇に消えて行く鮮烈な印象がある!
34歳の時の句だ。このころ、新傾向俳句を唱えた碧梧桐に対し、虚子は、季語を重んじ平明で余韻があるべきだと、対立していた。「闇の深さ」はその時の心の葛藤であろうか。虚子は生涯に20万句を作ったそうだ。虚子に関する本も俳句鑑賞の本も無限?にあるので、これらを紐解くのは、灯火親しむ時節の楽しみとしよう。
今回はこがね虫について調べてみた。

モナリザに仮死いつまでもこがね虫 西東三鬼

フランス語でコガネムシはスカラベ・サクレと呼ばれ、再生を象徴している。モナリザはパリのルーブル美術館にあり、その美術館はピラミッドの形をしていて、最近日本のLED証明で、照らされている。関係あるかな?

野口雨情・作詞、中山晋平・作曲の唄がある。
①黄金虫は金持ちだ、金蔵建てた、蔵建てた
飴屋で水飴 買って来た
②黄金虫は金持ちだ、金蔵建てた、蔵建てた
       子供に水飴 なめさせた
意味なく覚えているが、これが利権を巡る替え歌になると、ちょっとやばいのだ・・・。
 
実は立派な兜虫もコガネムシの仲間だが、「糞転がし」呼ばれるものもいる。この甲虫こそスカラベ・サクレ(聖なる甲虫)で、日本名「聖玉押し黄金虫」だ。聖玉は糞なのだが、その訳は?
コガネムシは自分の卵の入った糞の玉を転がし続け、幼虫はこの卵から孵化する。天の巡りのように、まるで太陽―(丸い糞)を転がす様だからだ。
地中から出てきて、地中に帰るところも日の出と日の入、あたかも死と再生を象徴している。そこから古代エジプトではタマオシコガネを崇拝し、神とした。なんと太陽の神の化身のケプリは人間の男性の体にフンコロガシ=スカラベの頭の姿である。
そのスカラベを模った石の彫物や宝石は再生のシンボルとして、首飾りや護符とされ、ミイラの胸元にも置かれた。
今各地でツタンカーメン展が開かれているが、大昔にも開かれたことがある。その折、青い石のスカラベを購入し財布に入れて持ち歩いていた。念願のエジプト旅行が出来たのは、その呪力の為だと思っている。

エジプトに来て流れ星見てゐたり   泰子
スフィンクス後から見る秋真昼    〃
ピラミッド見る足許の砂の灼け    〃
冷やかに入るミイラの展示室     〃
秋澄める王家の墓にどやどや来    〃
過ぐる秋レリーフは皆横向きで    〃
句集「葉風泰夢」(ハーフタイム)より
平成19年に上梓

帰国して半月も経たない内に、無差別殺傷テロ(60人の犠牲者)ルクソール事件が起こった。女ファラオのハトシェプスト女王葬祭殿がその現場であった。もしかして命を落としていたかもしれないと、背筋が寒くなる。
過激派は何故外国人観光客を狙ったのか?
コーラ、ハンバーグ、ポルノなどを持ち込んだ外国人を伝統の破壊者とみなしたからとも、観光収入を断ちエジプト政府に打撃を与える為だったとも言われるが、その根はあまりに深い。
思えば、ハトシェプストに着いた時、ツアーバスを取り巻くオジサンに猫の置物(バステト神)を押し付けられて、断れずに買ってしまった。「千円!」と叫んで開放してくれなかったのだ。しかし無事に帰れたのはその“猫の神様”と“スカラベ”のお蔭かもしれない。
命の再生は「日」と「月」のようなわけにはいかない。

桐一葉日当たりながら落ちにけり  虚子
ふるさとの月の港をよぎるのみ   〃
彼一語我一語秋深みかも      〃

秋深み、心深み!やっぱり虚子は深い!
「やんぬるかな」
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Posted on 2012/08/24 Fri. 22:12 [edit]

category: やんぬるかな

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