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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな59 

やんぬるかな59  
をりとりてはらりとおもきすすきかな 飯田蛇笏
蟷螂のよろりと枯れを尽しけり  石津淡紅

前回は、“この「はらり」「よろり」この俳句のよろしさを味わうのに、秋は良い季節だ!”で終わった。さてこの「はらり」と「よろり」の様な副詞は経験的に理解しているが、実際には、視角、聴覚、触覚どの感覚で感じる取るのだろうか。
副詞の「はらり」を辞書で調べると例文に
「花びらがはらりと散る」
「髪がはらりと解ける」などがある。
それに「と」を伴う「はらりと」は擬態語になる。
ハ行なら「はらり」「ひらり」「ふらり」「ほろり」・・・
ヤ行なら「ゆるり」「よろり」などが思いつくが、これら物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現するのをフランス語では、「オノマトペ」と言う。「オノマトペ」は「擬音語・擬声語・擬態語」を包括したものだ。その数は文化圏の拡がりに伴ってどんどん増殖する一方だ。思いつくまま並べても、「あらあら」「いろいろ」「うろうろ」「おろおろ」「からから」「きらきら」「くらくら」「じわじわ」「ばらばら」「ほろほろ」「よろよろ」と無限だ。
日本人の心に沁みる演歌を解剖してみよう。八代亜紀の「舟歌」(阿久悠作詞)が歌いやすく、耳に残るのは、歌唱力と曲もさることながら、オノマトペのリフレインが、心地よく酔わせてくれるからだ。「しみじみ飲めばしみじみと」「ほろほろ飲めばほろほろと」・・「歌い出すのさ舟歌を~~」
さて恒例の流行語大賞の時期が来た。その年に流行った言葉、ギャグ、人物、新造語などから、大賞候補作品がノミネートされた。12月1日の発表前の下馬評はいかがだろう。個人的に気になるものを挙げよう。
●マイナンバー
●ゲス不倫・センテンススプリング;ベッキーとゲスの不倫を暴露した週刊文春の「文」=センテンス(sentence)、「春」=スプリング(spring)が由来。
●『G7(先進国首脳会議)』伊勢志摩サミット
●東京五輪エンブレム「組市松紋」野老朝雄
●笑点五十周年・(司会は桂歌丸→春風亭昇太)
●EU離脱
●日米通算三千本安打記録(イチロー)
●SEKOI(せこい)マスゾエする・第三者機関
●十八歳選挙権
●安倍マリオ
●ポケモンGO
●SMAP解散
●映画「シン・ゴジラ」
●アニメ「君の名は」興行収入百億円を突破。
●築地市場移転問題・盛り土
●神ってる;広島カープが25年ぶりのリーグ優勝
●コミック「こち亀」終了。40年連載最長記録
●『PERFECT HUMAN』お笑い芸人のオリエンタルラジオのダンスパフォーマンス。
●「ペンパイナッポーアッポーペン」謎のシンガーソングライター・ピコ太郎の楽曲。
●都民ファースト●アスリートファースト●レガシー
●トランプ旋風  
 
正式名「ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社)は今年で33回目となる。もっとも世間に影響を与えたと思われるフレーズが表彰されるが、オリンピック関連、東京都庁問題、アメリカ大統領選挙などメジロ押しだ。
 因みに、2015年の大賞は「爆買い」・「トリプルスリー」だった。その他「一億総活躍社会」「五郎丸(ポーズ)」「ドローン」などがあった。
余談だが、十一月十三日の岡山市民マラソンに「そんなの関係ねぇ(2007年のトップテン)」の小島よしお(タレント)が参加していた。ゴール直前の一番しんどい時に、テレビカメラにそのギャグを披露し、芸人根性を見せていた。
さて江戸時代にも「キレキレ」のオノマトペの句がある。芭門十哲の一人、内藤丈草(じょうそう)は江戸前期の俳人だ。「ほこほこ」の使い方は、湯気が出そうな暖かい感じ!江戸中期の俳人高桑闌更(らんこう)の「ひらひら」の月光と翅(つばさ)の描写は前衛的で新しい感覚だ。
ほこほこと朝日さしこむ炬燵かな   丈草
月ひらひら落来る雁の翅かな      闌更
他にも、目から鱗の感覚の俳句!
ひうひうと風は空ゆく冬ばたん   上島鬼貫
とつぷりと後ろ暮れゐし焚火かな 松本たかし
妻が留守の障子ぽつとり暮れたり  尾崎放哉
冬の日のくわつと明るき一と間かな 村上鬼城
しんしんと寒さがたのし歩みゆく  星野立子

 いよいよカレンダーは残りの一枚になった。テレビのマスコミの過熱にはうんざりと言う人には、冬籠りの句を参考にしてもらいたい。
今、「生来の芸術上の貴公子」と評された松本たかしの句に惹かれている。能楽の名家に生まれるが、病の為に能を断念した彼の世界観、無常観がたまらない。
夢に舞ふ能美しや冬籠      松本たかし
人間の海鼠となりて冬籠る     寺田寅彦
冬ごもり世間の音を聞いて居る   正岡子規
 
現実の地球では、ポーカーではないが、ストレートフラッシュ?でトランプ候補が勝利した。韓国では百万人規模で朴政権に抗議のデモが行われている。海の向うと言ってはおれない状況だ。
へろへろとワンタンすするクリスマス 秋元不死男
木枯に星の布石はぴしぴしと   上田五千石

へろへろ」のあとは「ぴしぴし」も良い。
ここ、天文台の町の夜空には、どの様な布陣が敷かれるだろうか?
カフカ去れ一茶は来たれおでん酒 加藤楸邨
おでん酒なら理屈は要らない。        やんぬるかな!
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Posted on 2016/11/21 Mon. 21:31 [edit]

category: やんぬるかな

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