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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな57 

やんぬるかな57  
敗戦の数ほど咲きし彼岸花  木割大雄
祝杯の酒は選ばず寝待月     〃

前回は浪速のプロデューサーこと木割大雄先生の俳句で終わった。阪神タイガース’85年の優勝(吉田義男監督)を挟んで4年分のスポニチ連載句「虎酔俳句集」より選んだものだ。
秋の蚊を打つは未練の掛布かな   〃
灯ともして川藤情話に古酒少し   〃
 
「虎酔」の往年の名選手に古酒少し・・といきたいところだ。ファンというのは、負けても負けても、明日を信じ夢を追うものだ。最下位・定位置のタイガースが優勝した時のフィーバーは昨日のことのように思い出される。敗戦の数ほど・・寝待月(月の出が遅いので寝て待つ・・秋の季語)・・この野球愛はどのチームでも同じことだ。
 今年の秋は広島が湧いた。そろそろ阪神を見限って、そろそろ広島東洋カープに、乗り換えるかと、思っていた矢先のことだ。25年ぶりにセ・リーグ優勝を決めた10日、NHKナイター巨人―広島戦の平均視聴率は、広島地区では、60・3%、瞬間最高視聴率は71・0%だった。これまで82勝中、42回までが逆転勝利の広島だ。その日、またしても赤で埋めつくされた東京ドームは、「神ってる」=神がかる逆転となった。
この優勝には、新広島球場の開場が多いに貢献していると思う。駅から歩いて10分と利便性があり、パフォーマンスシート・砂かぶり席・ただ見エリアなどの観戦のアイディアが詰まっている。「MATUDA Zoom Zoomスタジアム広島」命名権(三億円)のコピーもイケイケ・ドンドン!ズーンズーン・ブーブー(幼児語の車)!なかなかなネイミングだ。
ファッショナブルなカープ女子も現れた。黄色い?声援ならぬ、赤い装束(応援グッズ・ユニフォーム)で身を固め、効果てきめん!神がかる!
 カープの優勝効果は331億円と言われている。当分広島は赤色に染められることだろう。
       
さて話は変わるが、「やんぬるかな53」で紹介した小畑晴子さんから第五句集「蛍火」が届いた。これはまた紹介するが、彼女の充実ぶりには驚かされる。「俳句文学館」(俳人協会新聞)8月号に、写真入りでその快挙が掲載されている。
俳人協会創立55周年記念(関西ブロック)
【第51回関西俳句大会賞・朝日新聞社賞】
  抱き取りし子になまはげの藁匂ふ 小畑晴子
 受賞の言葉に句作のヒントを見つけよう!
ひたすら写生貫いて:大会賞・ 小畑晴子
「東北への旅吟の折、阿波野青畝先生のお車に同乗させて頂いた。その時先生は「晴子さん、歩くことや!見ることや!」とおっしゃった。俳歴が長く、5人の先生に師事し、どの先生にも歩くこと、写生を貫くことを学ばせて頂いた。一人暮らしの自由さに国内はもとより、海外まで足を伸ばし、ひたすら写生に徹した。その中の「なまはげツアー」は圧巻で、10数人のなまはげが小高い山の上から奇声を挙げ、地響きを立てて迫ってきた。喚ぶ声と共に、闇に舞う雪と松明の火の粉が印象的だった。今回のこの大賞にお選び下さった先生方、そして結社でご指導頂いている主宰に心よりお礼申し上げます。」

 「第55回全国俳句大会」の選句集が届いた。
  捕虫網蛤御門くぐりけり   小畑晴子(入選)
応募総数一万4千一八六句の中から、大会賞六句、秀逸賞七句が選ばれた。因みに岡山からは、入選一句、予選通過作品は二七句だった。(一部)
  太き榾返す米寿の耳透けて    密田真理子
  麻痺の手に持たす手鏡初桜    白神知恵子
  観音のひしめく御堂竹落葉    柴田奈美
  子らの声ひとつに山車の動き出す 横田多禾(入選)
  渡し守いとま春筍掘りゐたり   杉本征之進
  いせみちとみのぢの分岐風光る  工藤泰子

 香川県14句の中に・・
  旅に買ふかみそり一つ秋の蝉  涼野海音
さて地元では、「第十一回浅口市俳句大会」が十月十五日に開催され、浅口市文化祭でも、入選句の発表がある。市内の一部の小・中学生にも呼びかけていて、定評もある。
前回紹介した「俺」こと木割大雄先生は兵庫県伊丹市の教育特区「ことば科」の特別講師をされている。伊丹市内外30校以上の小・中学校の俳句授業に招かれ、こどもたちに(ことば・いのち)をテーマに語りつづける活動は、新聞等に紹介されている。
 木割先生から「俳句の小径」という冊子を頂いた。
【小学校で五・七・五のリズムにのって自由に書いてみようという授業を続けている。が、あるとき中学校に招かれた。一年生の教室。中学生だから、季語について分りやすく説明した。その上で5分間で一句つくってみて、と呼び掛けた。季語は「おでん」と。・・中略・・私は彼らに、おでんの具は、みんな生き物でできているぞ、・・すると、
  「大根もしっかり生きてる命だよ」
  「だいこんを黒く染めてるダシがある」
  「おでんとは家族と具材を結ぶもの」
  「おでん食ううまさは母の愛情だ」

俳句とは生命を詠うもの、ということを知ってもらいたい。書くことで、言葉の力を自覚してもらいたい。その出発点になってほしい、と願っているだけ。】
発見のカタマリの子供俳句を紹介しよう。
  「さなぎから顔を出したらまぶしいよ」(昆虫館)
  「さくらの木秋になったらふつうの木」
  「はっばはねおちているけどいきている」
  「太い木にまたあたらしいえだがつく」
  「あきにはねいろんないのちのなきごえが」
  「秋になりひとがやさしくなってくる」

「ことば」が「いのち」があふれている。
彼らにエールを送りたい!やんぬるかな!
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Posted on 2016/09/23 Fri. 09:12 [edit]

category: やんぬるかな

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