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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな56 

やんぬるかな56  工藤泰子
キャラメルの赤き帯封原爆忌   吉村明
前回の句である。被爆した沢山の子どもたちにキャラメルの帯封を切らせてやりたかった!キャラメルが特別だったころの時代も反映している。物と情報の溢れる今は、立ち止まって考えることも難しくなった。
さて、リオ・オリンピックが始まって夏の暑さが過熱している。水泳・柔道・体操・卓球・カヌー・テニス・バトミントンなどなどなんと快進撃!
 テニスは錦織圭くんの大ファンなので、絶対にライブ(生放送)と決めている。テレビ応援は深夜にスタンバイし、現地の都合によっては、夜明けまでということもある。銅メダルを決めた試合では、あと一息という所で追いつかれ、手に汗握る最終セットを闘う(応援も必死)ことになった。試合の“イフ”は勝ちさえすれば“ノープロブレム”となる。
日本では高校野球が、ヒートアイランドと化した甲子園で、熱戦を繰り広げている。
〈甲子園球場〉というと〈タイガース〉→〈酔虎〉→〈木割大雄(きわりだいゆう)〉→〈俳句〉?
木割大雄・句集「俺」より 著者略歴
昭和13年兵庫県西宮生れ。
昭和36年結核療養所にて俳句に遭遇。俳誌「閃光」「天狼」「青」を彷徨。
昭和37年「青」百号記念会の来賓・赤尾兜子(とうし)の講演を聞く。
昭和47年「渦」入会。赤尾兜子に師事。
昭和56年3月17日、赤尾兜子急死。翌年「渦」退会。
平成8年 個人誌「カバトまんだら通信」を始める。
 著書「酔虎俳句集」、「江夏豊の俳句」私家版、「南のくにに雪だるま」・・「信子のなにわよもやま」(桂信子の対話講座・・聞き役をつとめる)

木割大雄=「俺」を句集出版記念会の顔ぶれで探ろう。出席者名簿によると、俳人の宇多喜代子・茨木和生・大石悦子、仏教学者のひろさちや、ラジオパーソナリティの道上洋三、フォークシンガー紙ふうせんの後藤悦治郎、他にも書道家、華道家、落語関係、琉球舞踊研究家、近松応援団、木割組など、150人を超す多彩な人間模様である。
神戸新聞に句集出版と、その記念会のことが出ている。「阪神間を中心に広い人脈を持ち、数々の個性的な文化イベントを仕掛けてきた『下町のプロヂューサー』としての顏もある。・・・長年の阪神ファンで、スポーツ紙に13年間、タイガース俳句を連載していた。」「宇多さんは句集に寄せた文章で『亡び』を受け継ぐのが俳句の俳句たるところだろう!と書いた。タイガースの最下位も、アイヌも琉球も・・いわば『亡び』の側の命運を背負っている・・」「これが木割文学の本質!と見事に突いている。」
「私」と「俺」は20年くらい前に出合った?長門の“金子みすず俳句大会”の選者が、茨木和生、宇多喜代子、寺井谷子、赤松薫子、木割大雄先生のお歴々の時、運河の重鎮に交じって前泊して参加した時だ。山口県で俳句をしていた亡父は赤松先生と交流があったので、厚かましくも参加したのだ。電車の中でも、宿でも、行く先々で句会がある。恥はかき捨て、運河の大先輩にしごかれ、励まされたことは財産になった。「俺」と「その仲間」とは青海島を船で観光し、同じ風に吹かれた。その俳縁に感謝する。
また、地縁もある。「俺」は鳴尾高校OBで、息子と娘の母校の先輩にあたる。
句集「俺」(角川書店)はタイトルだけでなくカバーも技ありだ。豚の蚊取線香の口から、鉢巻の「俺」の顏写真が覗いている。カバーをめくると蔦に絡まる甲子園と「番傘の俺」の写真(平成14年)が渋い。 
註 平成20年、球場はリニューアルされた
もしも、これが豚の貯金箱だとすると?「俺」の絵にはならない。さあ蚊取り線香に火を点けよう。打ち上げ花火ではないから、ぐるぐる煙が出るだけ・・。人を煙に巻くことはできそうだ。裏カバーの俺様は「俺」と白抜きの法被の背中を見せて豚上に鎮座?されている・。勝手に詮索してみると、師、赤尾兜子の「渦」に巻きこまれた頃を懐かしみ「うずうずしたいから・・」大阪のおばちゃんの突っ込みとボケには迫れない。あくまで明るい「俺」だが、句集の中味は濃く、根本を鋭く突き心に深く届く。
【句集「俺」】
 鰯雲未知の明日へ退院す     「彷徨」
 つまみ食う海鼠の雌雄など知らず  「渦」
揖保川のわけても春の白驟雨    「兜子」
へてからもちゃうちゃうもある花見かな「下町」
わが窓のエッフェル塔や月満ちて「ヨーロッパ」
耳鳴りに非ずや火事の音おんおん「禱り」(震災)
安南の曲も琉歌も後の月      「琉球」
後悔のうねりに似たり秋の海    「隠岐」
がちゃがちゃや島の宴のそのあとに 「隠岐」

【カバトまんだら通信】 第三期2号 H22年
 蝉とゆくわが自転車の擦過音
 人を見る蜻蛉の目玉と麒麟の眼
 大漁のごとく遠泳の子ら戻る(鳴尾高校後輩たちに)
  ※鳴尾高校の恒例の合宿と遠泳・次男は下級生の指導に参加したことがある。
 鬼灯を真っ赤に男棲みにけり
  ※2014年に亡くなった藤本安騎生先生(俳人協会賞受賞)高見山の見える「深吉野」のログハウスは俳人の憧れの地
【カバトまんだら通信】 第四期1号 H28年
 螢火や師父より何も引き継がず
 初盆やマッチ一本擦り減らし
 一日に長短ありぬ百日紅

“木割大雄”をキャッチコピーすると、
きらり☆阪神なひと  志はメジャーやねん
坂口裕彦(毎日新聞・外信部)

木割大雄はナンギなおっさんである―跋文に代えて
       時岡禎一郎(元毎日新聞阪神支局長)

真っ赤な表紙の「カバトまんだら通信4-1」の「こんにちは」を読んでみよう。
この「通信」は完成しないジグソーパズルのようなものです。・・・私の自由気ままなひとり言です。

さて、オリンピックも、中盤にさしかかり、甲子園球場では、白球のドラマが繰り広げられている。今年の金本阪神はどうなるだろう。星野阪神が優勝した時のメンバーのTシャツを後生大事に持っている。赤星、今岡、桧山・・スタンドでメガホンを叩いた日もあった。
「スポーツニッポン新聞(大阪版)タイガース俳句
 「虎酔俳句集」より  昭和63年刊 
 投げる打つ守る走れる風光る
豆飯や悪報軽く聞き流す
 盆の月敗戦打者を照らしけり
残されし夢呼ぶ九月のホームラン
秋の蚊を打つは未練の掛布かな
灯ともして川藤情話に古酒少し
 
酔虎と言っても名句ばかり・・阪神の心情を包んでくれて、ファンも酔虎になれる。
一月に「運河創刊60周年・750号記念祝賀会」で、木割先生にお会いした。岡山からは、杉本征之進・高木幸子等も出席して、談笑のチャンスを得た。
甲子園と蚊取り線香・・揃うと「俺」を思い出す。
敗戦の数ほど咲きし彼岸花
祝杯の酒は選ばず寝待月

野球を離れて成立する句だ。
            やんぬるかな!
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Posted on 2016/08/23 Tue. 11:02 [edit]

category: やんぬるかな

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