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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな44 

やんぬるかな44 工藤泰子
       
  母さんは合っていたのか 人生に
         答え合わせはなくて 海鳴り  俵万智
 
 前回は今、石垣島に住んでいる万智さんの歌を紹介した。“海鳴り”“海の底から鳴り響く低いうなり”は、台風の前兆とされる。彼らの人生はこれからだ。
齋藤考さんの本を読んでいたら、数学と俳句は似ているとの指摘があった。数学には「数式」、俳句と短歌には「型」がある。「美しい数学」と「すばらしい俳句」はたしかに似ている。どちらも“大自然の本質をパッと切り取る”ことができているからだ。俳句の「五・七・五」、短歌の「五・七・五・七・七」という音の数の制約は、不自由と思うはずなのだが、「型」に収めていく作業をして行くことで、むしろ言葉の研磨作業が進み、表現する感性は研ぎ澄まされてくる。選ばれた言葉たちが、人の心の奥底に入りこみ、大きな感動を与えるのだ!
 さて今月は「月」を眺めてみよう。
先月の「遥照」の兼題は「盆の月」だった。盂蘭盆(うらぼん)にあたる陰暦七月十五日の月であり、このころ「盆踊り」が行われることが多い。
盆踊りは、空也上人や一遍上人などから始まる念仏踊りに各地の様々な踊りが混淆して生まれたもので、盆に戻ってきた祖先の精霊を慰め、再びあの世へと送り出すための行事であると言われている。
  ふるさとにしがみつかむと踊るなり 谷口智行
少子化、過疎化で昔ながらの盆踊りは減ってきた。
「日本三大盆踊り」と言われるものに、「秋田の西馬音内の盆踊り」「岐阜の郡上踊り」「徳島の阿波踊り」がある。郡上踊りと西馬音内の盆踊りは国の重要無形文化民族文化遺産にもなっている。郡上踊りは念仏踊りの流れを汲み、お盆の四日間を徹夜で踊る。
他では「富山のおわら風の盆」が有名だ。胡弓の音に誘われ、夢幻の世界が静かに繰り広げられる。なかにし礼作詞、石川さゆりのヒット曲「風の盆恋歌」も人気の要因だろう。俳句の季語にもなっている。三日間で25万人が訪れる。
   日ぐれ待つ青き山河よ風の盆  大野林火
しかし何と言っても、四百年の歴史を誇る徳島の「阿波おどり」は日本最大規模である。人口26万人の徳島に146万人を超える見物客が訪れるのだから・・。市内に設けられた有料・無料演舞場、おどり広場などで、「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊らにゃ損々」の囃子詞にのせ法被姿の男踊りや編み笠の女踊りが繰り広げられる。“連(れん)”と呼ばれる踊りのグループ(30から500人)があり、技量に熟達した同好の連は「有名連」と呼ばれ伝統芸能の技を磨いている。眉山の麓にある「阿波踊り会館」では専属連「阿波の風」と有名連の踊りを年中楽しむことができる。
 高知の「よさこい」は今年で62回を迎えた。「鳴子を鳴らし前進する踊りであること!」「よさこい節をベースにした『よさこい鳴子踊り』のフレーズ!」でさえあれば、衣装も振付も自由なので全国各地にヨサコイ踊りが飛び火?している。今では札幌大通り公園の「YOSAKOIソーラン祭(今年は25回)」の地名度もぐんぐん上がってきた。流行りのパーフォーマンスで、勢いは止まらない。
「おかやま桃太郎まつり」の「うらじゃ踊り」もこの流れを汲んでいる。晴の国の炎天下で、22回が開催された。“こころ晴れ晴れおかやま魂”と鬼のメイクを施した若者が、激しい群舞で鬼となった。
【うらじゃは 吉備の国にやって来た、百済の王子の名前『温羅』じゃ!見た目は鬼のように恐ろしかったんじゃが・・船や鉄、塩の作り方を教えてくれたそうじゃ・・ その温羅に感謝を込めて鬼おどりが始まった】
駅前の桃太郎像は主役を譲って高みの見物だ。
       *****
陰暦八月十五夜と九月十三夜の月を名月と言う。
 名月をとつてくれろと泣く子かな 一茶
手を伸ばせば届きそうな大きな月である。団子、栗、芋などを三方に盛り、薄の穂を活けてこの月を祀ろう!天体ショーの現在でも次の俳句は錆ていない!(寂び?・・・)
   名月や池をめぐりて夜もすがら  芭蕉
 名月や海もおもはず山も見ず   去来
 名月や畳の上に松の影      其角
 むら雲や今宵の月を乗せていく  凡兆
 名月や柳の枝を空へふく     嵐雪
 名月やうさぎのわたる諏訪の海  蕪村

 
さて沖縄の唄に「イラヨイ月夜浜」がある。夏川りみやビギンが歌っている。“イラヨイマーヌ”は宮古島方言で愛しいとか、懐かしさを思うときに使う古語だそうだ。
             ♪♪♪♪♪
 唄しゃ達ぬ夜が更け  踊しゃ達ぬ夜が更け 太陽(ティダ)ぬ上るまでぃ舞い遊ば
        イラヨイマーヌ舞い遊ば
 月夜浜には花が咲く ゆりのような花が咲く 青く白くもえてよ
        イラヨイマーヌ花が咲く
            ・・・・・・
  月ん灯(あかり)ん波に受け 戻し戻さりぃくぬ浮世 大和世まで照らし給り
        イラヨイマーヌ照らし給り
              ・・・・
    イラヨイマーヌ花が咲く

 この唄には深い悲しみが込められているのだろうか?月夜浜で太陽が出てくるまで、舞い遊ぶ・波にぬれ・ながされて・照らされて・ながされて・・・

  あお向きしとき月ありぬ一つの月 金子兜太
  わが世のあと百の月照る憂世かな  〃

「共に生きた仲間たちも徐々に鬼籍に入っている。皆の名前を毎朝唱え、皆に向き合う『立禅』を続けている」と金子先生は言う。

               やんぬるかな!


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Posted on 2015/08/29 Sat. 07:22 [edit]

category: やんぬるかな

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