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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな36 

やんぬるかな36 工藤泰子
 「やんぬるかな!」が四年目を迎えた。「已んぬるかな?止めようかな?」などと、思う隙もなく、東奔西走ネタを探し、俳句に役立つ情報をゲットする日々!いつの間にか駄文の大きな山を築いた。
  ピラミッドパワー得しかと初寝覚 工藤泰子
 最近テレビはどのチャンネルを回しても「似たかよったか」同じようなクイズや旅番組ばかりで、見たいものがない。欲しい時、欲しい情報が得られるネットが便利だ!テレビ離れが進むはずである。
ところで、集英社の少女雑誌「りぼん」が60周年だそうだ。付録でポンポコに膨れた本が届いた時の感動は今でも忘れられない。
再近の子供の好みはわからないが、月刊誌から週刊誌、そしてインターネット!どんどん忙しくなっている。適応は“条件反射”では“悲しい”!
情報の氾濫は“考える力”を委縮させはしないか。
「ネット・サーフィン」(インターネットなどの情報源を渡りあるいて情報を手に入れること)は、 “波を読む”“風を読む”“時代を読む”ことだが、波に吞まれないようにしなければいけない。
サーフィンの魅力は海(地球)との対話だそうだ。俳句も同様、自然との対話で産みだされるものだ。
 さて思いがけず「第49回岡山県文化選奨『俳句部門』の最高賞」を頂いた。岡山に来て6年「遥照」の仲間や地元の皆様のお陰と感謝している。
この賞の趣旨は「県民の文芸創作活動を奨励し、もって豊かな県民文化の振興を図る」。おかやま県民文化祭実行委員会の主催。毎年8月31日が締め切り、発表は十一月半ば。募集部門は以下の様であり、賞金が授与される。小説A(80枚以内)、小説B(30枚以内)、随筆(30枚以内)、現代詩(一人3編一組)、短歌(一人10首一組)、俳句(一人10句一組)、川柳(一人10句一組)、童話(一人1編幼児向け一〇枚以内、四年生以上二〇枚以内) ※岡山県内在住者・年齢は問わない
今回、三度目の挑戦でこの賞を頂いた。一昨年は「炎天」で始めて応募した。昨年(48回)は「転調」を応募し、準佳作となった。俳句部門の応募者数は【48回は86編】【49回は95編】だった。

第49回岡山県文化選奨『俳句部門』入賞作品

「魔方陣」         工藤泰子         
 かなかなの真ん中にある魔方陣
 狂騒の渦となりゆくつくつくし
 黒揚羽飛び来て向きを変ふるところ
 うつせみの風にふかるる挽歌かな
 キュビズムの金魚と眼合ひにけり
 序破急のひぐらしの樹となりにけり
 弱拍のジャズの流るる夜の秋
 手花火の綺羅を大きく育てけり
 海の家畳んで海のよそよそし
 海に浮く浮輪に穴の残さるる

【審査概評】
パターンと配置が神秘的な「魔方陣」を、作品に響かせて季語に膨らみを持たせている。テーマや対象を内面意識に誘い、どのような展開になるのか興味深い。十句ともに格が備わっている。
かなかなの真ん中にある魔方陣
   序破急のひぐらしの樹となりにけり
など、具象から心象への時空間を把握。
      ☆☆☆
身に余る審査概評を頂いた。各作品は、三月末に「岡山の文学」(吉備人出版)で出版される。
短歌、俳句、川柳は入選と準佳作合わせ十編が掲載

さて「魔方陣」は読者にどの様に届くのだろう。「湖心」の元代表、佐滝幻太さんにお祝いメッセージを頂いた。
    ♪♪♪「泰子俳句の魔法」
〈泰子俳句のデリカシー〉  佐滝幻太

①かなかなの真ん中にある魔法陣  泰子
洋算のゲーム的面白さが即美しくやわらかいハーモニーを奏でる蜩の合奏と重なる不思議、を発見した作者のシャープな感性。その知識と感性の不思議な合体。
②黒揚羽飛び来て向きを変ふるところ  
ゆらゆらと飛んできた黒揚羽、その個体が異なっても同じ所に来ると必ず向きを変える。光や風の影響か。観察から生まれた自然の微妙さを捉えた句。感性が発見した生の実態。
③弱拍のジャズの流るる夜の秋  
秋風同様「夜の秋」の訪れも幽かである。作者は「弱拍のジャズ」にそれを感じたのだろう。たとえば接続助詞「て」のようにそっと上下を繋げるような弱拍には、アクセントをもたないことによる存在感がある。それは夜の秋のようにさり気ない美しさである。
泰子俳句に通底している繊細さ、細部の発見、感性、博識はたぶん生来の作者の個性なのだろう。それが俳句を通して自然に現れたのだ。
    ♪♪♪                   
「湖心」「木偶の会」のMMKさんからもうれしいエールを貰った。
「おめでとう泰子さん」 (MMKの感想)①かなかなの真ん中にある魔方陣
 四方八方からかなかなの鳴き声がする。縦、横斜め何処を足しても同じ賑やかな鳴き声でカナカナと。それをあたかも魔方陣のようだという捉え方に感心するが、それに加えて、数式パズル(魔方陣)を解く「数字は何カナ何カナ、カナカナ?」と遊んでいるようにも読めて、面白く楽しい句だ。
②うつせみの風にふかるる挽歌かな
 私にとってはああそうだったと改めて気付かされる句だ。と言うのも、私は空蝉を通して生けるものを感じていたように思う。必死にしがみついている空蝉の姿に生き物の必死さを感じたりしていた。しかし、風に吹かれる姿は正に空蝉の挽歌なのだ。
③キュピズムの金魚と眼合ひにけり
 キュピズムの金魚とは何か。謎解きだ。キュピズムと言えばピカソの絵を思い浮かべる立方体派。この句はキュピズムで描いた金魚の絵なのか。
かつてルービッグキューブが流行ったことがあった。六面体の色を揃える立方体パズルだ。これに準じた子供の積み木パズルがあって、それは六面の絵を完成するようになっている。この句はそのようなパズルを解いていると、金魚の目のパーツがここよここよと言うように目についたのであろうか。
それとも立方体の水槽の中の金魚が色々に屈折して思いがけず不思議な位置で目が合ったのであろうか。それとも3Dとか4Dと言われる迫力ある立体映像での金魚の目と合ったのであろうか。「キュピズムの金魚」という言葉に惹かされ句解きに参加させられる。
④手花火の綺麗を大きく育てけり
 花火を持っている手は、花火が綺麗に大きく開くように、そして長く綺麗であるように工夫しているのであろう。この句では、花火ばかりではなく手仕事をする者の心意気というものを感じさせられる。
⑤海の家畳んで海のよそよそし
 夏場賑わった浜辺から人々は去った。季節が移ると海の色、波の様も変わってしまう。海も人々を疎んずる気配だ。そんな海辺の空疎感を心情的に捉えた句。

 俳句は作者の手を離れたら、自由に飛んでいくものだ。過分な言葉に煽(おだ)てられ、擽(くすぐ)られて日向ぼこの猫の様にでれんでれんになってしまった。
 待てよ、年頭にこれはない!この賞は勉強せよ!と頂いたものだ。
初夢や耳深くして人の波     谷さやん
初夢のつづきといふはなかりけり  稲畑汀子
初夢や一兎追ひしに二兎を得て   鷹羽狩行
初夢になくてはならぬ翼かな    能村研三

初夢にさてなくてはならない“翼”だが、鳩、蝙蝠、ペンギン、恐竜、天使にもある。
鷹羽狩行さんは、鷹を選んだようだ。
初夢の一富士よりも二鷹かな    鷹羽狩行
さあ背中の翼は退化していないか。
飛躍の年にしたいものだ。 やんぬるかな!
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Posted on 2015/01/04 Sun. 11:40 [edit]

category: やんぬるかな

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