08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな57 

やんぬるかな57  
敗戦の数ほど咲きし彼岸花  木割大雄
祝杯の酒は選ばず寝待月     〃

前回は浪速のプロデューサーこと木割大雄先生の俳句で終わった。阪神タイガース’85年の優勝(吉田義男監督)を挟んで4年分のスポニチ連載句「虎酔俳句集」より選んだものだ。
秋の蚊を打つは未練の掛布かな   〃
灯ともして川藤情話に古酒少し   〃
 
「虎酔」の往年の名選手に古酒少し・・といきたいところだ。ファンというのは、負けても負けても、明日を信じ夢を追うものだ。最下位・定位置のタイガースが優勝した時のフィーバーは昨日のことのように思い出される。敗戦の数ほど・・寝待月(月の出が遅いので寝て待つ・・秋の季語)・・この野球愛はどのチームでも同じことだ。
 今年の秋は広島が湧いた。そろそろ阪神を見限って、そろそろ広島東洋カープに、乗り換えるかと、思っていた矢先のことだ。25年ぶりにセ・リーグ優勝を決めた10日、NHKナイター巨人―広島戦の平均視聴率は、広島地区では、60・3%、瞬間最高視聴率は71・0%だった。これまで82勝中、42回までが逆転勝利の広島だ。その日、またしても赤で埋めつくされた東京ドームは、「神ってる」=神がかる逆転となった。
この優勝には、新広島球場の開場が多いに貢献していると思う。駅から歩いて10分と利便性があり、パフォーマンスシート・砂かぶり席・ただ見エリアなどの観戦のアイディアが詰まっている。「MATUDA Zoom Zoomスタジアム広島」命名権(三億円)のコピーもイケイケ・ドンドン!ズーンズーン・ブーブー(幼児語の車)!なかなかなネイミングだ。
ファッショナブルなカープ女子も現れた。黄色い?声援ならぬ、赤い装束(応援グッズ・ユニフォーム)で身を固め、効果てきめん!神がかる!
 カープの優勝効果は331億円と言われている。当分広島は赤色に染められることだろう。
       
さて話は変わるが、「やんぬるかな53」で紹介した小畑晴子さんから第五句集「蛍火」が届いた。これはまた紹介するが、彼女の充実ぶりには驚かされる。「俳句文学館」(俳人協会新聞)8月号に、写真入りでその快挙が掲載されている。
俳人協会創立55周年記念(関西ブロック)
【第51回関西俳句大会賞・朝日新聞社賞】
  抱き取りし子になまはげの藁匂ふ 小畑晴子
 受賞の言葉に句作のヒントを見つけよう!
ひたすら写生貫いて:大会賞・ 小畑晴子
「東北への旅吟の折、阿波野青畝先生のお車に同乗させて頂いた。その時先生は「晴子さん、歩くことや!見ることや!」とおっしゃった。俳歴が長く、5人の先生に師事し、どの先生にも歩くこと、写生を貫くことを学ばせて頂いた。一人暮らしの自由さに国内はもとより、海外まで足を伸ばし、ひたすら写生に徹した。その中の「なまはげツアー」は圧巻で、10数人のなまはげが小高い山の上から奇声を挙げ、地響きを立てて迫ってきた。喚ぶ声と共に、闇に舞う雪と松明の火の粉が印象的だった。今回のこの大賞にお選び下さった先生方、そして結社でご指導頂いている主宰に心よりお礼申し上げます。」

 「第55回全国俳句大会」の選句集が届いた。
  捕虫網蛤御門くぐりけり   小畑晴子(入選)
応募総数一万4千一八六句の中から、大会賞六句、秀逸賞七句が選ばれた。因みに岡山からは、入選一句、予選通過作品は二七句だった。(一部)
  太き榾返す米寿の耳透けて    密田真理子
  麻痺の手に持たす手鏡初桜    白神知恵子
  観音のひしめく御堂竹落葉    柴田奈美
  子らの声ひとつに山車の動き出す 横田多禾(入選)
  渡し守いとま春筍掘りゐたり   杉本征之進
  いせみちとみのぢの分岐風光る  工藤泰子

 香川県14句の中に・・
  旅に買ふかみそり一つ秋の蝉  涼野海音
さて地元では、「第十一回浅口市俳句大会」が十月十五日に開催され、浅口市文化祭でも、入選句の発表がある。市内の一部の小・中学生にも呼びかけていて、定評もある。
前回紹介した「俺」こと木割大雄先生は兵庫県伊丹市の教育特区「ことば科」の特別講師をされている。伊丹市内外30校以上の小・中学校の俳句授業に招かれ、こどもたちに(ことば・いのち)をテーマに語りつづける活動は、新聞等に紹介されている。
 木割先生から「俳句の小径」という冊子を頂いた。
【小学校で五・七・五のリズムにのって自由に書いてみようという授業を続けている。が、あるとき中学校に招かれた。一年生の教室。中学生だから、季語について分りやすく説明した。その上で5分間で一句つくってみて、と呼び掛けた。季語は「おでん」と。・・中略・・私は彼らに、おでんの具は、みんな生き物でできているぞ、・・すると、
  「大根もしっかり生きてる命だよ」
  「だいこんを黒く染めてるダシがある」
  「おでんとは家族と具材を結ぶもの」
  「おでん食ううまさは母の愛情だ」

俳句とは生命を詠うもの、ということを知ってもらいたい。書くことで、言葉の力を自覚してもらいたい。その出発点になってほしい、と願っているだけ。】
発見のカタマリの子供俳句を紹介しよう。
  「さなぎから顔を出したらまぶしいよ」(昆虫館)
  「さくらの木秋になったらふつうの木」
  「はっばはねおちているけどいきている」
  「太い木にまたあたらしいえだがつく」
  「あきにはねいろんないのちのなきごえが」
  「秋になりひとがやさしくなってくる」

「ことば」が「いのち」があふれている。
彼らにエールを送りたい!やんぬるかな!
スポンサーサイト

Posted on 2016/09/23 Fri. 09:12 [edit]

category: やんぬるかな

TB: 0    CM: 0

23

遥照9月号2016 

              P1130382.jpg
一日といふも一齢秋の蠅     佐藤宗生
ふんだんに光と水や敗戦忌   花房柊林
今鳴かな何時鳴く蟬の七日間  甲斐梶朗
敗戦忌南の島は永久の墓碑   石津淡紅
懐郷や一夜の旅の盆踊り     中西八千代
蝉時雨のど真中なる墓参り    牧明子
九秋の独り寝なりし湖畔宿    山崎靖子
百日紅明日動員の大学生    竹地恵美
地球儀の裏側燃えて夏五輪   古川澄子
蛇行する川も涸れたる大旱    森脇八重
鷺草の里恋しかろ鉢育ち      原房枝
享年の文禄とある墓洗ふ      森靖子
団欒に加わる守宮の指定席    土屋鋭喜
敗戦忌吾よりも若き祖父の声   山下卓郎
久々に出番のめぐる蠅叩き    石井弘子
ひとりには余るベンチや大賀蓮   久戸瀬孝子
好物を美味しく食べて暑気払    虫明有菜
渡船場の舟うち揚ぐる秋の浜    柚木寿代
なた豆の夢を求めた蔓の先     大室瀧子
縁側の妣の居た場所盆の風     徳永保美
終活の黴生ふ本を捨てられず     中西登美
激辛のライスカレーの暑気払      浅野陽
子供らの指切りげんまん梅雨晴間   南みどり
蜻蛉へくるくる回す指の先        工藤泰子

Posted on 2016/09/05 Mon. 08:39 [edit]

category: 遙照

TB: 0    CM: 0

05