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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな45 

やんぬるかな45 工藤泰子

 あお向きしとき月ありぬ一つの月 金子兜太
わが世のあと百の月照る憂世かな  〃

前回の句、帝国海軍主計将校として、南洋のトラック島に“捨て石”とされた体験を持つ俳人の「月」「一つの月」「百の月」の意味は到底計り知れない。
さて、小中学生用の【SUPER理科辞典・受験研究社】で「月」について調べてみた。①月の満ち欠け②月面のようす等が絵や写真で分りやすく載っている。
①月は、地球のまわりを公転している衛星で、太陽の光を反射して光っている。そのため、太陽に向いた昼の半球の部分は輝き、太陽と反対側の夜の半球の部分は暗い。地球からは、日によって月が満ち欠けし、形が変化して見える。②月の自転― 月は「ウサギの模様を、いつも地球に向けている。そのことから、月は地球のまわりを一回公転するごとに、一回自転していることがわかる。月の自転周期は27・3日で、地球の一日に対してずいぶん長い。
名月をとつてくれろと泣く子かな  一茶
一茶のこの句は、非現実的で不可能なこと!の例えにもなる「月」だが、現代の子はどうだろう。
20世紀の鮮明な瞬間と言われる、アポロ11号の月面着陸は約半世紀前1979年のことであった。アームストロング船長が月面へ足を踏み出した際に最初に発した、「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」はあまりにも有名だ。その後、冥王星まで探査機が飛ぶ時代になった。軍事的な要素もあるのだろうが、ロマンもある。SFのファンタジーが荒唐無稽ではなくなって来た。日本でも宇宙ステーションでの活躍や「はやぶさ」の奇跡の帰還など嬉しいニュースが多くある。
ところで、月探査衛星の名前は「かぐや」である。テレビで、桃太郎、金太郎、浦島太郎、かぐや姫が月を眺めて宣伝するコマーシャルがある。スマホなどの通信こそ、夢物語だったのにと、笑ってしまう。
私が管理人をしている、インターネットの俳句ブログ「木偶(でく)の会」は三年前の七夕に、ネット(網)ワークの宇宙へとおずおずと発信・発進した。笹には折り紙の網と短冊を飾り、その写真を掲載した。その「木偶の会」の昨年十月のお題は「月」だった。それが次の俳句だ。(一句のみ紹介)
    をんな来て甚(いた)泣なく月の逢瀬かな 谷口智行
    魚跳ねて後月光のしじまかな   檜尾とき魚
    浅草の月を仰いでどぜう屋へ   池端順子
    屋根石の納まつてをり後の月   安藤加代
    倒木の魂を吸い月夜茸      佐藤八重子
    望の月地球の騒ぎ見つづける   野中千秋
   松影や月厳かに一の宮      坂東恭子
   満月の病める地球を包み込む   松村公美子
   名月に骨の髄まで晒しけり    岩城眉女
   シテの舞う武将の化身月今宵   新居三和
   潮騒のひろがる二十三夜月    堀瞳子
    月上る今月今夜の灯を点し    工藤泰子

ついでに季語の月を挙げよう。
四日月、五日月、八日月、十日月、月更くる、月上る、遅月、月傾く、月落つ、月の秋、 月の桂、桂男、月の兎玉兎、月の蛙、嫦娥、孀娥、月の鼠、月の都、月宮殿、月の鏡、 月の顔、胸の月、心の月、真如の月、袖の月、朝月日、夕月日、月の出潮、月待ち、昼の月、 薄月、月の蝕、月の暈、月の輪、月の出、月の入、月渡る、秋の月、月夜、月光、月明、月影、月下、上弦、下弦、弓張月、半月、有明月・・
やはり、月ははるかな存在であって欲しいものだ。

  話は変わるが、芥川賞作家となって脚光を浴びている又吉直樹の「火花」をまだ手に出来ていない。受賞前には本屋の店頭に山積みだったのに・・。本屋の策略という意見もあるが何しろ、230万部の売り上げは過去の芥川賞受賞小説単行本の記録を更新中だ。
「文化のかおりがするけどこむずかしくない」「文化のかおりがするけど商売くさくない」というのが今回の破格の部数になるためには重要だった。と飯田一史さんは分析する。
そんな折、金光図書館で幻冬舎文庫の
「カキフライが無いなら来なかった せきしろX又吉直樹」(平成25年に初版・27年に2班発行600円)を見つけた。
金原瑞人さんの解説は受賞前に書かれたものである。その一部を紹介するが、彼らの才能を感知する先見性があったと驚く。
  「しきりに小声でささやきかけてくる 日常の欠片 」  金原瑞人
「カキフライが無いなら・・・」のこのタイトルには「俳句だぞ!」という意気込みもなく、つぶやきかぼやきにしか読めない。むしろ「あんた、簡潔させてよ」と訴えているタイトルだ。「俳句+エッセイ+写真」のこの本は、いままでにない文学体験だ。「ライオン+ヤギ+へび」のキメラではなく、「牛+猫+犬」みたいな地に足の着きすぎたリトルモンスターだ・・・。
(註 キメラとは;ギリシャ神話で、ライオンの頭・ヤギの胴・ヘビの尾をもち口から火を吐く怪獣)
これが作者二人の元々のもくろみならひとつの文学的事件だ。解説はこんな風に事件を嗅ぎつけていた。
【裏表紙】の紹介文も見よう。
五七五の形式を破り自由な韻律で詠む自由律俳句を、妄想文学の鬼才せきしろと、お笑いの鬼才「ピース」又吉が多数放出。「雨と冷蔵庫の音に挟まれ寝る」(せきしろ)、「転んだ彼女を見て少し嫌いになる」(又吉直樹)など、センチメンタル過剰で、自意識異常な世界が広がる。5百以上の句と散文、著者二人の撮影写真から構成。文庫用描き下ろしも収載。
前回にも書いたが、標語やキャッチコピーは五七五が耳に残り易い。二人の自由律俳句は、漫画をめくるような驚きに満ち溢れている。
   荷物を押す老婆は前を見ていない    せきしろ
   ひとりになって玄関が広い          〃
   トラックが右に曲がると言う          〃
   イタチだったという結論で落ち着いた     〃
   折れた看板の矢印は地面をさしている    〃
        
       XXXXX
  まだ帰りたくないからナゾナゾに答えない        又吉
  単三電池握りしめて単三電池を買いに行った日    〃
  無頓着自由人風のナルシスト            〃
  趣味が高じて趣味がなくなる            〃
  早くも来世にかけている              〃
  手を振るには早すぎた             〃   
 
せきしろは一九七〇年生れ、又吉は一九八〇年生れである。この企画を誘ったのはせきしろであった。才能がぶつかって開花したのが「火花」だったのではないだろうか?
映画化の企画もある様だが、どんなキャスチングになるかが楽しみだ。
やや欠けた月も満月として詩   又吉直樹              
              やんぬるかな!
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Posted on 2015/09/30 Wed. 16:11 [edit]

category: やんぬるかな

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青桐舎のイベント 

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秋の午後のひとときを豊かにすごすことができました。
   朗読と音楽 
宇田由美子 「岸部の花」
石田節子   「24ページのアルバム」
浅田恵里   即興BGM

Posted on 2015/09/18 Fri. 22:26 [edit]

category: 未分類

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18

式部の実 

DSC_0225.jpg
  庭に紫式部の名前をもらった優美で知的?な式部が紫の実をつけました。文化的な感じがしますね。 式部の実が零れそうです・・石灯籠が古びています。わび・さび・・の境地です。

Posted on 2015/09/17 Thu. 10:36 [edit]

category: ガーデン

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17

遥照9月号 

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       汲み置きの桶に棲みつく旱星      佐藤宗生
      天仰ぎ禿頭に置く藁帽子         花房柊林
      生身魂仏頂面は生まれつき       甲斐梶朗
      岬鼻に動く人影盆の月           石津淡紅
      国訛ポツリとこぼす盆の月         牧 明子     
      くれなゐに片鱗染まるうろこ雲      中西八千代
      はらからのごろ寝一夜の夏座敷     山崎靖子
      峰雲の湧き天空の城となす        竹地恵美    
      たまゆらに心を揺らす夕とんぼ      田中 愛
      抽斗に貝殻あまた夏は逝く        森脇八重
      水遊びけんかは英語の姉弟       古川澄子
      合掌を解きゆく蓮の朝ぼらけ       原 房枝
      遠花火音はあとより闇に咲く        森 靖子
      パレットに海の色足す夏の恋       久戸瀬孝子
       好評と夫に伝える大西瓜          石井弘子
      小判草千両ほども咲かせけり       徳永保美
      あの日から七十年や田草引く       土屋鋭喜
      うつくしき世界の中の天使魚        柚木寿代         
      水鏡植田に逆さ地頭富士          山下卓郎
      酒を酌む夏の大三角形見上げ       中西登美
      なみなみとその日その日を冷やし酒    浅野 陽
      甘酒の熱さ極める緋毛氈           工藤泰子
  

      
      

Posted on 2015/09/06 Sun. 10:09 [edit]

category: 遙照

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