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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな38 

やんぬるかな38 工藤泰子
 ふはふはのふくろふの子のふかれおり 小澤實
 ふくろうに聞け快楽のことなれば  夏井いつき

前回は梟の俳句を紹介した。フクロウは日本では“不苦労”と縁起を担がれ、世界各地では、学問や知恵の神様として信仰の対象になっている。いつきさんの「ふくろうに聞け・・・」だが、さあ「ほっほう・・」と、とぼけられるのでは?
 ところで、この地域の図書館や公民館で見かける「高梁川」という冊子を御存じだろうか。
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「高梁川流域連盟」は高梁川の本川・支川を擁する市町および、高梁川に水源を求める市町の7市3町(新見氏・高梁市・総社市・早島町・倉敷市・矢掛町・井原市・浅口市・里庄町・笠岡市)を正会員として運営されている。
毎年12月に発刊の機関誌「高梁川」は今年で、七十二号となる。約400頁のボリュームの本は、“高梁川流域の自然のフォトコンテスト”の口絵に始まり、特集「星空のメッカ」(天文台の街・・)、リレーポエム、紀行随筆、流域ニュースなどの内容となっている。編集・発行は倉敷市教育委員会の生涯学習課で編集長は瓜生頼正氏である。
 このリレーポエムには、〈詩〉〈短歌〉〈俳句〉〈川柳〉〈漢詩〉があり、それぞれがリレーをしている。
私は「ほととぎす」の伴明子さんから、重たい?バトンを引き受けた。一年かけて高梁川ゆかりの地の吟行をしたり、歴史背景を調べたりした。どこから手を付けようかと悩んだが、来年には廃止が決まっている「水江の渡し」と「井倉洞」に絞った。
   次にその俳句「うたひつつ」と文章を転載する。
            「うたひつつ」     工藤泰子
  春の川わがクリスタルちりぢりに
  はるけきに海鳴りひびく春の川  
  霾るや浚渫船が動き出す
  桃畑うつす小川や春の逝く
  うたひつつそぞろそぞろのすみれぐさ
  貯水池へ流れ落ちゆく花筏
  水音は五つの樋門犬ふぐり
  貯水池は水を湛へて柳垂れ
  草青む高瀬通しの水門に
  閘門の跡つつぬけに花菜風
  菜の花の奥より船頭現はれる
  風光るあつと言ふ間の渡し舟
  船頭に踊り子草をもらひけり
  対岸の船頭を呼ぶ白日傘
  高瀬舟往来の地や風薫る
  うたかたの流れ流れて夏きざす
  白服や今も無料の渡し舟
  水無月や水門遺構となりてあり
  つばくらめ一級河川も合流す
  夏柳に指先触れて水の音
  単線の線路あちこち夏薊
  さかのぼる川を俯瞰す桐の花
  洞内の温度変はらず滴れり
  洞穴の水音探る夏帽子
  永劫と思ふ石筍滴りて
  船頭の鷹揚なこと南風
  水門の縄朽ちてをり夏蓬
  朽ち舟の舳先病葉二三枚
  新橋梁建設中や雲の峰
  早口に波の穂先や夏河口
 
 
      ♪♪「文章」♪♪
 金光町は桜のうつくしい町である。桜が咲くと、金光駅、里見川の土手、丸山公園は桜色に染まる。通称「良寛さんの寺」の円通寺公園の高台から桜に縁どられた“河口”を眺めていると、まるで平家物語絵巻を観ている様だ。
葉桜のころ酒津公園を訪れた。貯水池の水は「疎水百選」に選ばれ、東西用水(高梁川・笠井堰掛)の碑が建つ五つの樋門からは、西岸,西部、南部、倉敷、備前樋用水に配られて右に左に流れ、やがて市街地に吞み込まれて見えなくなる。貯水池の桜並木を北へ行くと八ヶ郷用水路があり、無為村荘(元大原家別荘)や古民家を改装した「川辺のレストラン」もあり、散策を楽しめる。この用水の水がなんと我が家の蛇口に到達しているとは驚きだ。
さて、酒津の近くに「水江の渡し場」があると聞き、探しまわった。小さな立看板を見つけ車を河原へ進めた。来年、完成予定の新橋の工事関係の車両ばかり置いてある。「立ち入り禁止」の看板まである。ともかく川面の見える所まで河原を行くと、対岸に舟を見つけた。手を振ると、迎えに来てくれた。意外にも渡船はモーターボートであった。往年の“渡し”ではないが、しばし船旅を楽しんだ。新橋が完成すると廃止の運命だそうだ。
江戸時代、物資を運搬する「高瀬舟」は高梁から玉島まで運行した。船穂には「高瀬通し」があり、一ノ口水門はパナマ運河のような閘門式だったとか・・。その遺構も探すのに苦労した。かつての水路は埋め立てられたり、地下となっていたりして、高瀬舟の発着場―川港の「ふなだまり」にも今は案内看板が立つだけである。大正時代の面影をのこす銭湯や羽黒神社をみると北前船で賑わった栄光の時代を感じることができる。神社では今でも「からす天狗」が睨みを利かしている。
俳句を作るにあたって 玉島港、酒津公園、水江の渡し、水門などを吟行した。また伯備線で新見、井倉に行き、井倉洞で遊んだ。洞窟の太古の暗がりより滴れる命の雫が、こくこくと巨大な鍾乳石を造る。一方で、その一滴は、無数の他の一滴たちと共に大きな流れとなり、海へと下ってゆく。〈人はみな大河の一滴〉そんなフレーズをうたひつつ・・・
     ♪♪♪ 
 さあクリスタルの川を見に行こう!
うらがへりうらがへりゆく春の川  井上弘美
橋杭に小さき渦や春の川     夏目漱石

小さき渦!小さきものは漱石の好むところ。
菫ほどの小さき人に生れたし     漱石
小さなものの発見、俳句と云う小さな世界の大きな価値を見つけて行きたいものだ!
         やんぬるかな!
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Posted on 2015/02/22 Sun. 16:44 [edit]

category: やんぬるかな

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ギャラリー「青桐舎」のお雛祭 

  鴨方のギャラリー「青桐舎」のお雛祭りです。
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Posted on 2015/02/13 Fri. 08:38 [edit]

category: 日常

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遥照2月号 

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 大いなる海を鏡に初日出づ          佐藤宗生
 喉元に霊気のしみる寒の水          花房柊林
 言霊の琴線にふれ雪の舞ふ         中西八千代
 天満より八幡様へ初詣             甲斐梶朗
 冬ざれの古城女神を支へゐし        川崎照女
 煤逃げの集まってくる御釜殿        石津淡紅
 卒寿てう山坂越えて初日影         田中 愛
 寒紅を差して饒舌はじまれり        山崎靖子
 地図の上の旅のはじまる春炬燵     牧 明子
 初電車横前斜めみなスマホ        古川澄子
 背を越さる子に促され初写真       森脇八重
 児等奏す鼓笛に始む出初式       森 靖子
 初茜夢の莟を膨らます           原 房枝
 人生にまだまだ余白日記買う       藤沢絹子
 籾殻の山の脆さや過疎の邑       土屋鋭喜
 二日朝ロクロ光に包まれる        山下卓郎
 南国のやうな部屋にて冬籠る      柚木寿代
 生け垣の洩れ日を拾う寒雀       久戸瀬孝子
 柚子の香を肌にうつして終い風呂   徳永保美
 沢庵の噛めて幸せ冬至粥        中西登美
 山眠る上り下りの坂抱き         浅野 陽
 猫に先越されてゐたる日向ぼこ    工藤泰子

 
 

Posted on 2015/02/08 Sun. 09:35 [edit]

category: 遙照

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