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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな34 

前回は「横溝正史」のミステリー「獄門島」とその事件の鍵となる俳句を紹介した。
①鶯の身をさかさまに初音かな   宝井其角
②むざんやな冑の下のきりぎりす  松尾芭蕉
③一つ家に遊女も寝たり萩と月   松尾芭蕉
 芭蕉の俳句を鑑賞するどころか“見立て殺人”とは全く別次元の話で驚いたが、これが俳句の妙味でもある。
   芭蕉照らす月ゲルニカの女の顔  黒田杏子
 さてこの句はどこから解いていけば良いだろう。
「ゲルニカ」とはパブロ・ピカソ(1881~1973)の有名なキュビズムの作品である。
 註 キュビズム;立体派・対象を基本的な構成要素に分解し、それを再構成することによって、形態の新しい結合、理知的な空間形成をめざした芸術運動。
「ゲルニカ」は、ピカソが1936年のスペイン内戦で故郷のゲルニカが空爆を受け壊滅したことを聞き急遽「パリ万国博覧会スペイン館」の壁画として、描かれたもので、縦3.5m横7.8mの巨大な作品だ。速乾性の白と黒のペンキが用いられわずか20日で完成した。
絵をざっと説明すると
“人間のような目を持った闘牛の頭、その下には空爆の犠牲となった子供を抱えて泣き叫ぶ母親、狂ったように叫ぶ馬、天を仰ぎ救いを求める者など・・・”
 この「ゲルニカ」は反戦のシンボルとなった。その後戦火を避けイギリスやアメリカに渡り、スペインに戻ったのは、ピカソの死後であった。これと同じ図柄のタペストリーの一つは、ニューヨークにある国連本部の国際連合安全保障理事会議場前に展示されている。
 彼の画風は、青の時代、バラ色の時代、キュビズムの時代、シュルレアリズムの時代を変遷し、「創造と破壊」「既成概念」を切り崩すものだった。天才の名をほしいままにする彼の絵は最初、難解で「へたくそ」とも思えるが、実は考え抜かれていることが判る。画家であった父が、幼いピカソの描いた林檎があまりにも上手いので、画家を止めてしまったそうだ。目で見たものをそのままに描くのは、ピカソにとっては当たり前のことだったのだ。彼はこんな言葉を残している。
「なぜ自然を模倣しなければならないのか?それくらいなら完全な円を描こうとするほうがましなくらいだ」
 「芭蕉照らす月・・」の芭蕉は葉と、俳聖芭蕉の両方にかけているのだろう。この句を読むときは、キュビズムの捉え方で、多面的に詠むと面白い!最後の「女の顔」では、ゲルニカの泣き叫ぶ女の顔と重なる。

十一月三日は文化の日だ。
「自由と平和を愛し文化をすすめる」日だ。
歴史的には1946年の日本国憲法制定の日で、明治天皇の誕生日だった。
文化の付くものをあげてみると、文化国家、文化都市、文化村、文化人、文化勲章、文化功労、文化住宅、文化センター、文化包丁、文化鍋・・・・
形のない演劇、音楽、工芸技術や伝統として世代を超えて受け継がれているものは「無形文化財」「無形文化遺産」となる。最近は「カルチャー」の人気が高い。

ピカソ展見て偏頭痛文化の日     塩路五郎
消しゴムにバニラの香り文化の日   三木基史
冬田あり国民文化祭のあと      木下野生
一盞(せん)と納豆おろし文化の日 山元志津香
一席の手話の落語や文化の日    金原亭馬生
文化の日せつせと鍋を磨きゐて    工藤泰子
 マチスよりモネへと進む絹扇     八染藍子
 ルノアルの女に毛糸編ませたし   阿波野青畝
 菊人形にて美男なる芭蕉佇つ     右城暮石 
 
2010年に文化勲章を受けた俳人に有馬朗人がいる。物理学者、元東大総長(24代、)科学技術庁長官、文部大臣・・・・輝かしい業績の人だ。
「天為」創刊・主宰で代表作に「母国」「耳順」「立志」がある。
日向ぼこ大王よそこどきたまへ   有馬朗人
イエスより軽く鮟鱇吊りさげる    〃
ニュートンも錬金術師冬籠る     〃
夜霧濃しロートレックの悲しみに   〃
珈琲の渦を見てゐる寅彦忌      〃

実は俳人として文化勲章をもらったのは、高浜虚子だけで、久保田や有馬は業俳(俳句が専門)でない。
《文化勲章》 
1954(昭和29)年 
 去年今年貫く棒の如きもの     高浜虚子
1957(昭和32)年 
 湯豆腐やいのちのはてのうすあかり 久保田万太郎
《文化功労者》
1980(昭和55)年 
 肉皿に秋の蜂来るロッヂかな     中村汀女
1992(平成4)年
 蟋蟀(こおろぎ)が深き地中を覗き込む      山口誓子
2004年(平成16)年 
 失いしものをさがしに冬帽子      有馬朗人
2005(平成17)年
 除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり    森 澄雄
2008(平成20)年
 谷に鯉もみ合う夜の歓喜かな     金子兜太     
      註 選句は文化功労者 大岡 信
  
空き地を埋めたコスモスは種になり、野山では、いのこづち・牛膝(ごしつ)葈耳(おなもみ)が弾けてくっ付く頃になった。投げて遊んだり、胸に飾ったり・・
腕白どもの勲章だった。
 晩秋のはるかな音へ象の耳 「耳順」より 有馬朗人             
                やんぬるかな! 
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Posted on 2014/10/27 Mon. 07:25 [edit]

category: やんぬるかな

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第9回浅口市俳句大会 

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  十月十八日に金光公民館で第九回浅口市俳句大会が開かれました。
当日は丸山公園を吟行して一人3句の出句、そののち選句と選評で多いに盛り上がりました。
 応募句
 《一般の部》
浅口市長賞     今日からは新藁といふ飼葉桶  佐藤宗生
浅口市教育長賞   源流といふ一郷の水澄めり   森脇八重
文化連盟会長賞   風を連れ風が連れ去る秋の蝶  安藤加代
秀逸賞       秋めくや絵筆にのせる赤少し   藤沢房子  
優秀賞   人間のつもりで立っている案山子  土屋鋭喜  他
 《小学生の部》
浅口市長賞      絵日記に夏の香りが残って    四塚愛生
浅口市教育長賞   夕立が洗っていった茄子をもぐ  田中さゆり
 《中学生の部》
浅口市長賞      ユニホーム戻れぬ夏の匂いする  応本武瑠
浅口市教育長賞   溶けてゆく切ない恋とかき氷  久戸瀬百珠
       
  
 当日句

浅口市長賞   石段を譜面に代えて木の実落つ    笠原美恵子
秀逸       どんぐりを掌に遊ばせて池巡る    古川澄子
          足音に鯉の大口秋日和        原房枝
 天       一枚の桜紅葉に魅せられて     工藤泰子 
 地      句ごころを集めて一人づつの秋    牧明子
 人      峡の日に色を深めし紅葉かな     安藤加代 

Posted on 2014/10/19 Sun. 09:04 [edit]

category: 遙照

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猫も木に登る 

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海ちゃんが松の枝の先の先まで・・・・201410140633000.jpg

Posted on 2014/10/17 Fri. 07:26 [edit]

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遥照10月号 

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 迎火に人肌ほどの風よぎる        佐藤宗生
 桐一葉真澄の空の遥かなり        花房柊林
 究極の陥穽(かんせい)なりし蟻地獄  甲斐梶朗
 水瓶に罅の走れる秋の風         中西八千代
 木犀は金屑こぼす囮籠           山崎靖子
 まほろばの寺の反り屋根ほととぎす   川崎照女
 大橋の跨げる海にいわし雲        森脇八重
 八朔の由来調べる電子辞書       古川澄子  
 長靴に萍つけて祖父帰る         石津淡紅
 虫の夜に溺れて眠る峡の村       牧明子
 夢の端たぐるひと時沙羅の花      原房枝
 一日を使い果たして夕端居        田中愛
 異端児と言うもまたよし灸花        土屋鋭喜
 野仏の肩に蜻蛉のすまし顔        山下卓郎
 紫蘇の葉をからりと揚げて恋慕断つ   久戸瀬孝子
 道の端の風に尾をふるゑのこ草     徳永保美
 端正な祢宜の袴のさはやかに      中西富子
 高齢の母の焚きたる門火かな      浅野陽
 かちわりや球場アルプス応援席      工藤泰子

 

Posted on 2014/10/01 Wed. 07:31 [edit]

category: 遙照

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