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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな22 

やんぬるかな〈22〉     工藤泰子
前回は次の句の意味を考えながら終った。
筋道をたて野分など来るものか   中原道夫 
理論、理念など皆無な私には、筋道を立てて、きっぱり解決なんて・・無理無理!そもそも毎度毎度「やんぬるかな」と反省?にもならない長嘆息をし続けているが、そろそろ孔子様に無断借用をお断りしなくては・(別に著作権とか無関係ですが )
そこで「論語」(金谷治 約註)から、「やんぬるかな」を含む文を三つ探し出した。
①公冶長27
子曰、已矣乎、吾未見能其過而内自訟者也

子曰く、やんぬるかな、われ未だよくその過ちを見て、内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり。
【訳】先生はいわれた。「もうおしまいだなあ。自分の過失を認めて吾とわが心に責めることの出来る人を、わたしはまだ見たことがない」
②子罕9
子曰、鳳鳥不至、河不出圖、吾已矣夫

子の曰わく、鳳鳥至らず、河、図(と)を出ださず。吾れ已んぬるかな
【註】鳳鳥も図版(河図)も,聖天子の出現に伴う瑞兆とされる。聖天子のあらわれない現実を嘆いた。
③衛霊公13
子曰、已矣乎、吾未見好徳如好色者也

【訳】先生がいわれた「おしまいだな。私は美人を好むように徳を好む人を見たことがないよ」


①②③のどれも、二千年以上前だと言うのに、
未だに「やんぬるかな!」ではないか。
「論語」は、孔子と弟子の言行録なので、必ず「子曰・・」で始まる。中味は人間として守るべき、行うべき、至極当り前のことが書かれている。最近「しのたまわく・・」が子供向けの教育テレビ、絵本、漫画などで、流行っている。道徳教育にも、お受験にも効果があるからだろう。
「声に出して読みたい論語」斉藤孝 編
「子供論語塾」〈親子で楽しむ〉 安岡定子著
田部井文雄監修 
   などである。
江戸時代の寺子屋ではないが、英語のリスニングの様に聞いて、素読すれば・・読書百遍となるか?

さて、古典俳句を音読して、味わうのもいいのだが、五年前に設立した、ちょっとオシャレな「滑稽俳句協会」(八木健会長)を紹介しよう。
滑稽宣言---俳句の本質に滑稽がある」
「俳諧の連句をルーツとする俳句は滑稽がその本質のひとつである。今協会は喪われたままになっている滑稽を俳句に取り戻すこと、質の高い滑稽俳句を後世に残すことを目的とする。」

〈八木健さんのプロフィール〉:NHKの元アナウンサー・俳句王国司会(十年間)・愛媛大学「俳句学」講師・萬翠荘の館長(国の重要文化財)
句集「怠けぐせ」「万愚節」「うふふ」‥
「人生でいちばんいい句が詠める本」など著書多数
入会のきっかけは、俳句と連句誌『八千草』の山元志津香主宰に「向いているわよ!」勧められたことからだ。毎月の応募句が、会長の「目に入る・止る」と、「目を見張る?目が醒める?目が回る?目を疑う?」滑りそうで滑らない解説が付いて来る。一筋縄ではいかないのが「滑稽俳句」なのだ。
年間賞より二句と 今月の句より
短夜を走るラジオの深夜便   藤森荘吉 
左手に聖書右手に蝿叩き    百千草
とんぼうに水平思考あるらしく 工藤泰子

【八木健の解説】新しい展開を求めて軽々と移動する蜻蛉に学ぶところは多い。「水平思考を形にしたる蜻蛉かな」「落ち着きの無さは格別赤とんぼ」
  適当が長寿の秘訣敬老日    麻生やよひ・・・・自分の齢もあやふやらしい  
【・・七七を付けてみました八木健】
こんな調子で、ストレス時代を乗り切っているが、句が出来なければ、それがストレスになる。そこで、“虎の巻”ならぬ“山羊の巻”「八木健の滑稽俳句術」から抜粋してみた。さすが元アナウンサーだ!なかなかの名調子・・絡めとられそう!
俳句術?タイプ別     
        〈言葉遊び〉
    チルドレンとは冷凍会社の阿波踊
    野分晴音にするならあつけらかん

        〈感じたままを書く〉
    うめですかさくらですかこの裸木は
    一刀両断大根のふくらはぎ

       〈客観写生〉
    大根を地球と奪ひあつてゐる
    月光に解く鍵束の知恵の輪を

       〈裏切り構成〉
    人間を蹴る馬のゐて天高し
    相談をうけて良夜を使ひきる
    クレーンのびる秋天の途中まで

       〈なんでもないこと〉
   ピアニストピアノの上に薔薇を置く
      〈文字の発見〉
   尺蠖やメートル法の世を生きる
   野原大学音楽科草笛奏法研究生

       〈誇張〉
   海原を持ち上げてゐる鯨かな
   入学の子にランドセルとりつける

      〈真実の発見〉
    どしゃぶりとなりたる蝉の時雨かな
    秋天をいけどるやうに投網打つ

       〈擬人化〉
    怠けぐせ治らず春の海のたり
    一匹の蚊にストーカーされてゐる

        〈非科学的〉
    穴だけの眼に睨まれて目刺食ふ
       〈哀感が透ける〉
    知らぬとは言へず前進道をしへ

大笑いした後は、「俳句学入門」から会長の弁の一部を・・・「面白い」と「滑稽」には月とすっぽんほどの隔たりがあります。
〈面白俳句〉
三月の甘納豆のうふふふふ  坪内稔典

教科書にも掲載。取り合わせの面白さ
〈滑稽俳句〉
漂へる電気くらげに部品かな 八木健

「電気くらげを凝視して部品を発見、これは写生である。そのうえで、電気くらげに哀しさを発見しての一句なのです。」「滑稽句について言えば、句のつくり方はまことに自由自在というべきなのです・」
只今「平成の滑稽俳句大全集」を準備中とのこと

ここで、今月の滑稽俳句のコラムより、森要さん(八十歳)のコメントを紹介する。
七五三五七五で四九八九    森要
編集部  「滑稽俳句を作るこつは?」
森要    「脳とノート、ひらめき、ヒント、それにあらねば試行錯誤(思考索語)ですかね。」

  「索語」は「索」はつな(金剛索・羂策)で、語(言語)を手繰り寄せる綱?と言う造語だろう!
なんとも思考回路がやわらかい!
検索、暗中模索、詮索など、ごろごろ・・・
秋の夜長を、ご・ろんご・ろんご!「温故知新」   やんぬるかな!
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Posted on 2013/10/24 Thu. 07:45 [edit]

category: やんぬるかな

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浅口市俳句大会 

浅口市寄島のサンパレアで第8回浅口市俳句大会が開催されました。午前中に寄島アッケシソウの生地を散策の後、当日句を参加者で互選しました。今年のあっけし草は虫害で、傷んだところもありましたが、守る会のみなさんの御蔭で、紅く色づいたアッケシソウを見るころができました。
絶滅危惧Ⅱ類のランクで、本州唯一の自生地です。珊瑚草、ヤチサンゴともよばれています。
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当日句より  高得点

 潮の香をまとひて紅き珊瑚草    花房柊林
 潮の香やアツケシ草につづく道   久戸瀬孝子
 帯び止めにひとつ折りたや珊瑚草  工藤泰子
 湿原を燃えて緋となすアッケシソウ 笠原美佐枝
 潮の香やふるさと遠く珊瑚草    徳永保美
 寄島が好きでアッケシ草の世話   土屋鋭喜

Posted on 2013/10/14 Mon. 09:30 [edit]

category: 俳句

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