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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

やんぬるかな69 

やんぬるかな69  子供俳句
前回は、金子敦さんの五つの句集「猫」「砂糖壺」「冬夕焼」「乗船券」「音譜」を紹介した。さすが、カラオケ名人!絶対音感のある句集だ。
月を見るひとりは猫を見てをりぬ   金子敦
つぶあん派こしあん派ゐて月を待つ   〃

スイーツ王子らしい、好みも句になる。ちなみに王子はこしあん派だそうだ。
カネコさんと言うとネコ!月よりも猫が主役だ。
猫の尾のしなやかに月打ちにけり 金子 敦
秋の影ときをり猫の尾が動き   檜尾とき魚
 さて、「月」は秋の季語である。大気が澄み切って一番きれいに見えるからだ。月は地球をめぐる衛星で、27・3日で地球を一周し、太陽と地球の相対的な位置関係で満ち欠けをする。新月の月齢は0・0、満月はほぼ14・8である。
【月】新月・繊月・二日月・三日月・上弦の月・十日夜月・ 十三夜月・ 小望月・満月・ 十六夜・ 立待月・居待月・ 寝待月・臥待月・更待月・下弦の月・有明月・三十日月・・・
  月天心貧しき町を通りけり     蕪村
  こんなよい月を一人で見て寝る   尾崎放哉
  月光のつきぬけてくる樹の匂い   桂信子
  土笛を吹いて風土記の月迎ふ    菊元直也

【十五夜】旧暦八月十五日の満月の夜、良夜といい、秋の月の中でも特に美しい。名月、今日の月
  けふの月長いすすきを活けにけり  阿波野青畝
  迷ひ来し猫を良夜にかへしけり   菊元虹雨

【無月】名月が雲におおわれて見えない、雨だと雨月
  草踏んで獣通りし無月かな     廣瀬直人
【十六夜】旧暦八月一六日の夜、または月のこと
  十六夜湖のかぎりをさざなみす   野沢節子
  十六夜の出先へかかる電話かな  鈴木真砂女

【十三夜】旧暦九月十三日の夜で、名月の一か月後なので、後の月と言う。栗名月、豆名月とも呼ばれる
  くくくくと鳥昇りゆく後の月     石寒太
  
秋はまた文化の月、10月には、第15回岡山県民文化祭の地域フェスティバル「あさくち文化祭」が、開かれる。
浅口市は、平成18年、金光町、鴨方町、寄島町が合併して誕生した。「キラリと光る未来そうぞうワクワク都市」を目指している。市の木が「桜」、魚は「牡蠣(かき)」、星は「シリウス」とは、最近知った。浅口市健康福祉センターの多目的ホールの名前が「シリウス」なので、不思議に思っていたが、全天の中でも一番明るい「シリウス」を名乗るのは、この町が、天文台の町だから当然ではあった。
余談だが、俳句では、山口誓子が西東三鬼・橋本多佳子らと創刊した「天狼」はシリウスのことだ。
  墳山(つかやま)の天狼父にまぎれなし   角川春樹
 合併して出来た市だから、文化祭の会場も鴨方、金光、寄島に分散される。【浅口市総合文化祭―文化がまちに出る!地域いきいきプロジェクトin浅口―】
今年度の浅口市俳句大会は、14日に、他に先駆けて金光の会場で開催される。展示は書道、絵画、水墨画、陶芸、生け花、写真などの傑作、力作が3つの会場で21日から発表される。バラバラの会場を巡ってもらう為なのか、子供のスタンプラリーが目玉企画だ。“才能発見の旅に出よう!”の掛け声で「こども体験コーナー」を設け、参加賞の図書カードは、2つ以上の会場で、2つ以上のスタンプを集め、アンケート2問に答えるとゲットできる。
我ら「遥照」でも、21日(鴨方)、28日(寄島)で、コーナーを開設するので、是非遊びに来て欲しい。
いざ「俳句」を説明するとなると、なかなか難しい。
【ルールは「五・七・五」の十七音で「季語」が一つ入っている。】だが、季語は旧暦なので、馴染みにくい。とりあえず「歳時記」の中から、分野別に分りやすくピックアップする必要があろう。
今回、ネットで富山大学付属小学校教諭・前田正秀さんの記事「小学生の俳句がおもしろい!」を見つけたので、少し紹介したい。
俳句の魅力、俳句の指導などの項目も為になるが、“リズムを味わう”“俳句を音読する!”ことの指摘がなかなか新しいと思ったので、見てみよう。     
【俳句には、自然に体でリズムを感じたくなる心地よいリズムがあるのである。俳句の七五調のリズムを、音楽でいう「8(エイト)ビート」だと捉え、体感する。】

 【例えば、「古池や蛙飛び込む水の音」 を音読する。大抵の人は「古池や」と言った後、無意識のうちに3泊の休符を入れるのではないだろうか。
 5文字と3拍の休符で、合わせて8ビート。この8ビートのリズムが、日本人にぴったり合うのである。だから、私は子供に指導する際、多少の字余りや字足らずにこだわらない。】
「分かる」のと「できる」のは違う。「自分だけの発見」のある俳句をと、試行錯誤して、穴埋め問題で遊ぶ時間を設けたそうだ。
    そこで問題Q
(     )くるりとパーマをかけている
( )の中に言葉を入れてみる。
「お父さん」「お母さん」と入れるようでは30点。
当たり前でつまらない。ライオンが などと動物を入れるようなら80点。ちなみに、この俳句は、全国学生俳句大会の入賞作品で、( )の中に入っていた言葉は、「ブロッコリー」である。クラスで出てきた傑作の答えは、「わらびがね」だったそうだ。
   さて、次の問題Q  子供の感性に脱帽する答は・・・(後ろ)
①雪だるま(     )をつけてお友だち
②秋の夜(     ) 笛をふく
③夏休み たいくつそうな(     ) 
④先生になりたがる(     )夏休み
⑤かしわもち 弟三つ 姉(     )
正解例①名前②しょうじの穴③ランドセル④母⑤一つ
 そこで、前田先生の真似をして、秋の果物の名句クイズを作ってみた。イ~ホより選択
①(  )くへば鐘が鳴るなり法隆寺  正岡子規
②星空へ店より(  )あふれをり   橋本多佳子
③(  )食ふ一語一語の如くにて   中村草田男
④海に会えばたちまち青き( )剥きたり 金子兜太
⑤父といふしづけさにゐて( )割る  上田五千石
  イ梨 ロ胡桃 ハ林檎 ニ柿 ホ葡萄  
 
  父がつけしわが名立子や月を仰ぐ  星野立子
  たのしさや草の錦といふ言葉    〃
  子の摘める秋七草の茎短か     〃
   
 星野立子は、高濱虚子の次女、初の女性主宰誌「玉藻」を創刊・ 主宰した。自由な発想が魅力だ。
子供の心で柔軟に俳句を楽しみたいものだ。
                やんぬるかな!

 
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Posted on 2017/09/21 Thu. 09:46 [edit]

category: やんぬるかな

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八千草20周年記念号 

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「八千草」の創刊20周年記念祝賀会・特集号!
お祝いのメーセージを送らせてもらいました。

Posted on 2017/09/10 Sun. 08:27 [edit]

category: 俳句

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遥照9月号2017 

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桐一葉なにか書かねば残さねば    佐藤宗生
懐に花穂を抱きて青芒           甲斐梶朗
乾杯のグラスに月涼しめり        川崎照女
ほんにまあ続くお喋りソーダ水      花房柊林
どかどかと帰りゆく背の踊笠        石津淡紅
蜩の八雲旧居の庭かげり         中西八千代
大匙に顔の歪んでいる晩夏        山崎靖子
白南風や音探り吹くハーモニカ      竹地恵美
白南風や竿売りの声行き過ぎぬ     牧明子
地には地の人間模様雲の峰        森脇八重
左手で一合の米夏厨            古川澄子
昼月の見ゆる野に飛ぶ茅萱の穂     森靖子
ふるさとは五右衛門風呂と蟬と母    土屋鋭喜
早朝のかぼちゃの花の大合奏      原房枝
合歓の花母となりても母恋し       久戸瀬孝子
白南風やペタルが歌うかろやかに    徳永保美
長ぐつの道草してる梅雨晴間       山下和子
虹立て泰平の世の橋となれ       大室瀧子
銀輪と白南風大橋渡りゆく        大野雅子
安泰に暮らせる日々や月涼し      石井弘子
通り雨泰山木の花清し          山下卓郎
梅雨の憂さ晴らす将棋の快挙かな    浅野陽
腰の辺の窪みし父の籐寝椅子      南みどり
泰然と見えて詮無き端居かな       工藤泰子

Posted on 2017/09/07 Thu. 10:09 [edit]

category: 遙照

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07

やんぬるかな68 

やんぬるかな68  工藤泰子
前回は、金子敦さんの第五句集「音譜」から、次の句を紹介した。
噴水はまこと大きな感嘆符  金子敦
 FB(フェイスブック)では、猫好き俳人?の括りで交流がある。(金子すずちゃん&工藤空・工藤海・・)
さて、「感嘆符!」と言ってのけた「噴水」は他の句集では、こう語られた。
待ち人は来ず噴水は繰り返す 敦
噴水の音と重なるわが鼓動  〃
以前、山陽新聞のコラム「滴一滴」に彼の次の句を発見し、すぐにお知らせしたが、もちろんすでにご存知であった。さすがスイーツ王子だけあって甘い仕立ての作品だ。カラフルなマーブルチョコと夏休みの取り合わせは実に楽しく、どの子にもキラキラした一日が、次々と箱から飛び出してくるようだ。
夏休みマーブルチョコの赤青黄 句集「冬夕焼」  
プロフィール;金子 敦(かねこ あつし)1959年、横浜市生まれ。未来塾俳句教室講師。「出航」会員。句集『猫』『砂糖壺(第11回 俳壇賞受賞)』『冬夕焼』『乗船券』『音譜』 好きなもの・猫、スイーツ、漫画、カラオケ、書道、百均、その他いろいろ。
「ラスカル」「あっちゃん」の呼び名で、抜群な人気!もちろん俳誌でも、有名な俳人である。その人脈も、杉山久子さん、鈴木茂雄さんなど多彩で、チャットを垣間見ていると、俳句界の「今!」を体感できる。
 句集は手に入らないので、鈴木さんや他の人の評論から、5つの句集を、覗き見させてもらった。
 第1句集「猫」
 ボールペンの先端は球鳥渡る
 折紙の裏は真つ白昼寝覚
 方眼紙にみづいろの罫小鳥来る
 朝蟬や練乳缶に穴二つ
蝉の穴と練乳缶の穴!穴の一つは空気穴である。どの句も好奇心の強い猫のような発見に驚く。
第2句集「砂糖壺」
鈴木茂雄さんの評によると、句集のタイトルは第11回俳壇賞受賞の作品「砂糖壷のなかに小さき春の山」に由来しているそうだ。ここでは、「夕焼」の作品を3つ選んだ。今まで、何気なく見ていた“夕焼”が、とてつもなく不思議なものに思える。太陽が沈む頃、青色光は拡散され、波長の長い赤色光だけが、地上に到達するために起る現象なのだ。闇の始まる前に!
夕焼や蹴るには大き過ぎる石
夕焼やきのふのやうな少年期
夕焼のはみ出してゐる水たまり
 これらは“夕焼”との関係で必然性を持つことになった。どの句を見ても、口調はやさしいのに、いつのまにか深く、核心まで導かれてしまう。これこそは新しい俳句の方向性ではないかと感じ入った。
いい人と言はれて淋し水中花
月白や手紙のやうにガム渡す
蜻蛉の風をほどいてゆきにけり
CLOSEの木札かたんと鳥渡る
戻り来し猫の足拭く十三夜
 さて猫好き作家の猫ぎみ!十三夜の季語が絶妙だ。足拭く・・これも多くを想像させた。
第3句集「冬夕焼」
   吸飲みに残りし水や冬夕焼
「2006年、金子さんのご母堂が逝去された。この作品はその遺品のひとつを詠んだものである。巧みな心象風景の句であるが、ここには小手先の技巧は微塵も感じられない。こころの奥底から出たはだかの言葉だからである。(栞・鈴木茂雄)」
   永遠に消えない虹を分かちあふ
   少年の吾に呼ばるる草いきれ
   大いなる花野の果ての無人駅
第4句集「乗船券」
   月の舟の乗船券を渡さるる
 いったいどんな「乗船券」なのか?
「月光のかけらのやうな竹落葉」という句や次の句も気になるところだ。
   望の夜や母の遺影を窓に置き
   満月の向かう側より呼ばれけり
天上の母が落とせし木の実とも
 この句集の評は、故澤田和哉さんの(敢て彼が言うところの)「誤訳『乗船券』」を紹介したい。
実は4年前、澤田さんとは、与謝蕪村顕彰の表彰を受けた時、受賞した人たちと一緒にカレーライスを食べた、という、浅からぬ縁があった。
とりあえず、二人の作品だけを紹介しよう。
     京都府知事賞
はんざきの口水平にあいてをり  工藤泰子
     宇多喜代子賞
豚肉のぷるぷるしたる大暑かな  澤田和弥
二年前のこと、若手俳人として活躍されていた澤田さんの訃報をFBで知った。それで、「誤読」という評論があることも判った。彼は言う。
【「乗船券」は「死」の世界の切符ではあるまいか】
この強い言葉には、彼のダイイングメッセージも込められていたのだったのではないか。
さあ、そこは払拭し、新しい夜明けを見つけよう。
「新涼や帆船の絵の切手貼り 敦」!

 さて、最新のフランス堂から出版された第5句集も、人気だそうだ。さすがにプロ顔負けのカラオケ名人は、句集「音譜」にその要素をぎっしり盛り込んでいる。「音譜!」と「言葉!」を繋ぐものは?五線譜と五七五の出会いを楽しもう。
 噴水の高低、緩急、リズムを思い出そう。夕焼の移り行く色を思い出そう。音と調べのドラマを・・。
第5句集「音譜」
白南風や楽譜に大きフォルティシモ
 ハーモニカにあまたの窓や若葉風
 シンバルの連打のやうな残暑かな
 十二月八日やシュレッダーの音
 春を待つ八分音符に小さき羽
 トランペットより薫風の生まれけり
 ティンパニを叩けば風の光り出す
 楽団の荷に弾みたる木の実かな
 葱提げてピアノ奏者の帰りけり
 るるるるとららららららと萩こぼる
 これらの敦ワールドで“ぷにょぷにょ”に癒された後は、月のBGMを聞きながら、猫と過そう。
  猫の尾のしなやかに月打ちにけり  敦
「猫俳句パラダイス」より
  月を見るひとりは猫を見てをりぬ  敦
さすがに、月と猫は切り離せない。
  
            やんぬるかな!

Posted on 2017/08/24 Thu. 10:55 [edit]

category: やんぬるかな

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滑稽俳句NO108 

雷光は軽く雷音は重く   泰子
DSC_2796.jpg
  ・・・痩せつぽっちが怒鳴りゃ大声   (八木健)

Posted on 2017/08/23 Wed. 09:22 [edit]

category: 俳句

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