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空海が行く

俳句 猫 庭 のこと

遥照5月号2018 

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露座仏の石の衣も温みけり     佐藤宗生
春の鳰水面の空を破りけり     花房柊林
休耕田浄土となして仏の座     甲斐梶朗
潮騒や入日おろがむ遍路笠     石津淡紅
平成の終らむとする花吹雪     牧明子
山中の花に沈みて神在す      森靖子
山並みも家並も沈め朧月      竹地恵美
風色の艶やかしだれ桜かな     瀧口和代
末黒野や戦渦を抜けしのこと     山崎靖子
梅だより無人の駅が混み始め   岩崎弘舟
春光や平成の御代三十年       長畦恭子
そよ風にやおら衣を脱ぐ蕗の薹     古川澄子
ものの芽に寄り添ふ風の甘さかな   森脇八重
花抱き思い出抱き彼岸来る       原房枝
封印の解かるるやふに蕗の薹    久戸瀬孝子
青春は駆け足で過ぎ芽吹き山   井上和子
一人づつ夢を語りて卒園す      石井弘子
薄紙にくるまれし里月おぼろ     大室瀧子
草萌えや野仏の頬緩みをり      山下和子
しつかりと掴まれ真鯉の金太郎    土屋鋭喜
隠国の泊瀬の花の風に酔ふ     山下卓郎
山奥に節分草の座を得たり      徳永保美
表具屋に表具師ひとり春の昼    南みどり
蕗のたう息吹のもとの底力      高橋あい子
フラミンゴ脚をくの字に春隣     工藤泰子

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Posted on 2018/05/12 Sat. 15:30 [edit]

category: 遙照

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運河・リレーエッセイ「かなかなの真ん中」工藤泰子 

「運河リレーエッセイ」  工藤泰子
    「かなかなの真ん中」
平成5年のことだ。三男の高槻中学校入学式で、講堂の壇上に、茨木和生先生が現れた。「ミス卑弥呼準ミス卑弥呼桜咲く!」「これが俳句なのか?」神託を受けたように電気が走った。その後、PTA句会に参加し、「運河」に入会した。四人の子育て中に、自分自身の世界が持てたことが何よりうれしかった。
岡山に転居したのは、平成20年である。
それまでを“前半戦”として句集「葉風(ハーフ)泰夢(タイム)」に纏めた。
都会のマンションから、敷地が千坪の古家の暮しが始まった。長屋門、母屋、西と東の離れ、茶室や蔵など、しばらく空き家だったので、家も庭も荒れ放題だった。そこで“後半戦”のテーマは、家と庭の維持管理となった。
俳句の方は、いつの間にか輪が広がって、岡山俳人協会、倉敷俳話会、浅口市俳句協会などの行事に関わっている。
「倉敷俳話会」は俳人協会、現代俳句協会、伝統俳句協会など超結社で道場破りの様な楽しい句座である。その仲間から機関誌「高梁川」の「リレーポエム」をバトンタッチされた。第1号は大原総一郎氏の「高梁川流域連盟の出發」だった。締切は一年後だ。泥縄ではあるが、新見の井倉洞、備中高梁、酒津公園、円通寺、玉島港などを訪れ、72号に『うたひつつ』30句と文章を寄稿した。
その中で、一番の思い出は、90年の歴史を惜しまれながら昨年廃止した「水江の渡し」を探しあて、乗船したことだ。この渡船は、河川の改修に伴い分断された水江地区と対岸を渡すための“市道”で、無料であった。定員9人のモーターボートは、犬や自転車も乗せてくれ、対岸までの40メートルの船旅を楽しめる。俳句仲間と来た時には、特別に上流まで乗せてもらったこともある。運行の最終日には、たまたま私と主人の乗った舟がテレビで放映された。これには正直驚いた。
大寒のころ、件の船着き場に行ってみた。残されていたコンクリートの乗り場から、空を跨ぐような倉敷大橋を見上げた。橋の袂には、加藤大臣揮毫の『水江の渡し』の記念碑が建っていた。
もう一つは運河を見つけたことだ。江戸時代、水江から玉島港までの9キロを高瀬舟が通い「高瀬通し」と呼ばれる水路がそれだ。閘門式の一の口水門の遺構や、川港の「ふなだまり」を訪ね、川の流れと歴史の流れを辿った。
後日届いた機関誌「高梁川」のあとがきに、「嬉しいニュース。リレーポエム俳句工藤泰子氏県芸術選奨入選。祝。祝。」があった。俳句、俳縁から得たものは計り知れない。
かなかなの真ん中にある魔方陣  泰子
ただ今、カントリー・ライフ進行中である。

Posted on 2018/04/28 Sat. 05:55 [edit]

category: 俳句

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やんぬるかな76 

やんぬるかな76  
前回は、俳人協会賞受賞作品「カムイ」の中の句をいくつか紹介した。
さまよへる湖に似てビヤホール   櫂未知子
南風吹くカレーライスに海と陸    〃

さまよへる!の句は、都会のサラリーマンの行き場のない習性や乾きを詠んだのであろうか?ビアホールに例えた湖は、海からとても遠い。
もう一つの句、カレーライスに海があるが、単純明快ではない。「南吹く」は、ぎらぎらの太陽の照りつけるビーチ、陸と海のぶつかる処を想像させる。ルーが海で、ご飯は陸?櫂さんの発想は、そんな単純なものではあるまい。陸と海の関係性は、地球の在り様、男女関係にまで、深読みできてしまうからだ。一枚の皿の上の出来事を、さらりと言ってのける遊び心にやられてしまった。
ところで、子供のころには、ライスカレーと呼んでいた記憶がある。たしか“カレーライス”は、アラジンのランプの様なポットで出されてご馳走だったし、ご飯に直接かかっていればライスカレーと思った。
聞くところによると、陸軍と海軍で呼び名が違っていて“カレーライス”が海軍式なのだそうだ。東京オリンピックの頃から、カレーライスの呼び名が優勢となったらしい。
これが別れのライスカレーです 山頭火
山頭火が食べれば、ライスカレーも俳句になる。

いずれにせよ櫂さんの俳句は、茨木和生先生の評にある様に、新しい領域を拓こうとする意欲に満ちている。凡人に出来ることは、普通の暮し、普段着の暮し、それなりの領域を見つけていきたいものだ。朝昼晩、春夏秋冬の食べ物から、糸口を探っていきたい。
朝日新聞出版の「旬の菜時記」「おいしい俳句をめしあがれ」がある。先ずは、タイトルが「歳時記」ではなく、「菜時記」である点に留意して味わうことにしよう。筆者は、おなじみの食いしん坊の宇多喜代子・大石悦子・茨木和生先生のトリオだ!
見開きは、「『旬の食材を、どう食べるのがおいしいか?名句とレシピで完全解説―』食通で知られる関西の俳人たちが、俳句と料理で季節を彩ります。レシピは伝統和食から洋食まで多彩。日本人ならではの感性と知恵がつまった一冊です。」
三人の先生方は、各地の俳句大会の選者をされているので、何度かお目にかかっているが、たしかに食いしん坊で、お元気である。
この「本」からは、俳句も料理も上手くなる秘訣が発見できそうだ。食べ物の起源、産地や調理法、また句の背景も興味深い。 (評は一部のみの紹介)
【春】傍線は季語
水菜採る畦の十字に朝日満ち  飯田龍太
 畦の十字は田畑の仕切りです。朝、美しく仕切られた畑の野菜はみずみずしさに満ちています。今日という日の始まりに畑の水菜を採り、その日のお菜にする。都会で土と遠く暮らしている人には夢のような贅沢です。       (宇多喜代子)
壺焼やいの一番の隅の客    石田波郷
 掲句は俳人鈴木真砂女の経営する銀座の小料理屋「卯波」で詠まれたもの。・・・昭和三十年代、病状が比較的安定してた波郷はよく卯波を訪れました。店に入ってすぐのカウンターの隅の席がお気に入りで、いつからとはなくそこは「波郷の席」と呼ばれるようになりました。(2008年卯波閉店)  (大石悦子)
何事も速し蕨を摘むことも   森井美知代
小鳥のさえずりを聞きながら山道を歩いていて、枯れ蕨の茎や葉の崩れている”ほどろ”を見つけると、目は蕨を探しています・・目を先に先にと送って蕨を摘むものですから、わたしは誰よりも早く蕨の一束を作っています。この句は私をモデルにしたもの・・
〈背広来てワンピース来て蕨摘む  和生〉  (茨木和生)
【夏】
 がてんゆく暑さとなりぬきうりもみ 久保田万太郎
きゅうりは胡(西域)から伝来した瓜であることから「胡瓜」と書き、熟れると黄色になるゆえに黄瓜と呼ぶのだとのこと。・・もともと胡瓜は夏を代表する果菜。・・胡瓜の魅力は、さっぱりした旬のみずみずしさと、暑さを忘れさせる歯ごたえのよさでしょう。(宇多喜代子)
老い進む湯攻めの鱧の縮む間も 後藤綾子
鱧はお造りから天ぷらまでどのように調理してもおいしいものですが、まずは湯引き。湯に落し入れるので鱧落としとも言われ、手早く氷水で冷やしたふっくらした一切れをいただくと、よくぞ「鱧」という字をあてたものだと感心します。鱧の身が熱湯をくぐって縮み、切口が反って白い花が咲いたようになるその短い間でさえ、容赦なく人は老いてゆく。・・戯画化してみせたところに、作者の達観に触れる思いがします。  (大石悦子)
七彩に銀の鰹が輝けり   山口誓子
 鰹が黒潮に乗って沖にやってくると、胸が高鳴ると紀州の漁師たちは言います。・・星をいただく夜明け前から、60キロほどの沖に出ていたケンケン漁の小型の鰹船が、糶の時間に合わせて漁港に戻ってきます。ケンケンとは、紀州の漁師がハワイのカナカ族に学んだ漁法の一つ。船の艫(とも)から潜航板を付け、擬餌針を仕掛けた二本の竿を出して、沖をかけながら鰹を釣り上げてゆくのです。糶場に並べられた鰹の背は、光によって広重ブルーに見えます。・・誓子の句は「和具」と前書きがありますから、熊野灘の鰹でしょう。ケンケンの鰹と断って売っているものなら、新鮮さを生かして「銀づくり」と呼ぶ、腹の銀色の皮をひかないでつくった刺し身が一番です。   (茨木和生)
 「熊野、魂の系譜」の著者、運河の編集長の谷口氏に次の句がある。
  引退の漁師も参ずケンケン漁 谷口智行 
この漁が始まるころの漁師の昂りが伝わってくる。熊野の鰹を食べて初めて俳句の意味も共有できるのかもしれない。
 3月31日に、津山で第25回「西東三鬼賞」の受賞式に、茨木先生が、選者で来られるので、馳せ参じた。西東三鬼賞は、高額な賞金で知られている。
受賞者は、俳歴60年、八十八歳の廣さんだった!
永眠の前の睡眠天の川   廣 波青
茨木先生の選考所感には、「西東三鬼の出席した最後の天狼句会に私も出席していた。そのときの三鬼の出句を覚えている。
〈秋の暮大魚の骨を海が引く 三鬼〉
こんな句を詠みたいと思って来た。私の選句もこの句をよしとする視点からである。」
寺井谷子先生は、「俳句一句に書かれた、あるいは出現する世界は、否応なく『今』を含む。・・透明感を得るのは、『天の川』がもたらすものであろう。『虚無』への誘引ではなく、思惟へと導く魅力的な一句であった。」
 廣さんの受賞の言葉に、「漁夫として百日、印度洋上で、鮪を獲り、鮫を撲ち過酷な労働に耐えられたのも、今思えば俳句あっての事でした。」海の怖さを知る人の句と三鬼の句が重なった。
 さて田舎ならではの暮しを満喫しよう。今年の藪は順調なようだ。自分で掘れば俳句もできるはず。
竹の秋孟宗淡竹真竹の順   右城暮石
煮汁掛け続けて筍眼張煮る    〃
        やんぬるかな!

Posted on 2018/04/16 Mon. 17:46 [edit]

category: やんぬるかな

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遥照4月号2018 

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一病は長寿のきざし桃の花    佐藤宗生
くれなひは晩節のいろ寒椿    花房柊林
花鋏春立つ音の弾みゐて     甲斐梶朗
ひと群の日向を啄む寒雀      石津淡紅
殻割れば灯点るごとき寒卵     中西八千代
花の空真二つにして飛行雲     牧明子
大試験終へ饒舌しきりなり      山崎靖子
目が可愛い恐いと幼な白子干    竹地恵美
天然と添書きのあり鰤の市      古川澄子
日溜りに顔寄せ合うて寒雀      森脇八重
下萌や土の匂いに鍬かろし      原房枝
鶯の声に答礼真似てみる       井上和子
雛壇の官女に似たる娘も二十歳   山下和子 
竹藪を過ぎて出遭へる初音かな   大室瀧子
探梅のはずが酒宴の客となる    森靖子
石投げる子供も居らず池凍る    土屋鋭喜
すれちがふ少年の息下萌ゆる    久戸瀬孝子
はらはらもどきどきもあり入学式   藤沢絹子
スカイツリー上るも予約春隣     石井弘子
三鬼忌や池一面の赤藻草      山下卓郎
早春の膨らみを抱く庭木かな   虫明有菜
春一番竹の奥より生まれくる    徳永保美
人あまた火の粉求むるお松明   南みどり
春隣風や雲にも春化粧       高橋あい子
護摩供養竜は天へと昇りをり    工藤泰子
  

Posted on 2018/04/06 Fri. 08:24 [edit]

category: 遙照

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みすず俳句大会 入選 

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Posted on 2018/04/02 Mon. 08:57 [edit]

category: 俳句

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